『 たんなる理性の限界内の宗教 』
1793
宗教論
名著の概要
ジャンル
[
"宗教学",
"西洋宗教学",
"宗教論",
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学"
]
テーマ
宗教とは何か
概要
真の宗教とは何か.このきわめて現代的な問いに応えるカント晩年の哲学的宗教論.
目次
内容
「道徳は必然的に宗教にいたる」と,人間の理性に信をおく道徳的理性宗教の理念をもって既成の啓示宗教・キリスト教にむかい,人間本性のうちなる根元悪・善の原理と悪の原理,神の国の建設,奉仕と偽奉仕などの諸問題を論じる.
カントは宗教を、道徳の基礎の上に成り立つべきものであるとしている。神は、幸福と徳の一致である「最高善」を可能にするために要請される。この思想は理性宗教の立場であるが、啓示宗教を排除しようというものではない。
また、カントは『たんなる理性の限界内の宗教について』において、「ユダヤ教は全人類をその共同体から締め出し、自分たちだけがイェホヴァ−に選ばれた民だとして、他のすべての民を敵視したし、その見返りに他のいかなる民からも敵視されたのである」と、ユダヤ教の選民思想について批判している。
イマヌエル・カント
ドイツ
著者の概要
ジャンル
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"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学",
"宗教学",
"西洋宗教学",
"宗教論"
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著者紹介
プロイセン王国(ドイツ)の哲学者。『純粋理性批判』、『実践理性批判』、『判断力批判』の三批判書を発表し批判哲学を提唱した。フィヒテ、シェリング、そしてヘーゲルへと続くドイツ古典主義哲学(ドイツ観念論哲学)の祖とされる。彼が定めた超越論哲学の枠組みは、以後の西洋哲学全体に強い影響を及ぼしている。
「批判 」とは、理性・悟性・感性・判断力からなる人間の認識能力の限界と能力を確定し、それぞれに相応しい役割を規定する企てである。
『純粋理性批判』では人間の認識が必ず感性と悟性によって媒介されており、経験的認識において理性は直接的に作用しないという、理性の限界が確定される。
『実践理性批判』では、経験的認識において能力が限界づけられた当の理性が人間の道徳性の根幹をなす能力を持ち、そこにこそ理性の可能性が秘められているということが明らかにされる。
『判断力批判』では経験(現象界)と理念(叡智界)を媒介する能力として判断力が研究され、第一部では美学目的論が、第二部では自然目的論が展開される。