にごりえ
『 にごりえ 』
樋口一葉
1895
近代日本文学

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "日本文学", "近代日本文学" ]

テーマ

死 恋 貧困

概要

1895年『文芸倶楽部』に発表。銘酒屋の遊女お力が、落ちぶれて妻子とも別れた源七と情死するまでを描く。作者の住む丸山福山町を舞台に、ここに生きる住民を描写している。

目次

内容

丸山福山町の銘酒屋街に住むお力。お力は上客の結城朝之助に気に入られるが、それ以前に馴染みになった客源七がいた。源七は蒲団屋を営んでいたが、お力に入れ込んだことで没落し、今は妻子ともども長屋での苦しい生活をおくっている。しかし、それでもお力への未練を断ち切れずにいた。 ある日朝之助が店にやって来た。お力は酒に酔って身の上話を始めるが、朝之助はお力に出世を望むなと言う。 一方源七は仕事もままならなくなり、家計は妻の内職に頼るばかりになっていた。そんななか、子どもがお力から高価な菓子を貰ったことをきっかけに、それを嘆く妻と諍いになり、ついに源七は妻子とも別れてしまう。お力は源七の刃によって、無理とも合意とも知らない心中の片割れとなって死ぬ。
樋口一葉
樋口一葉
日本

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "近代日本文学", "日本文学" ]

著者紹介

中島歌子に歌、古典を学び、半井桃水に小説を学ぶ。生活に苦しみながら、「たけくらべ」、「にごりえ」、「十三夜」といった秀作を発表、文壇から絶賛される。わずか1年半でこれらの作品を送った。没後に発表された『一葉日記』も高い評価を受けている。