『 ゆたかな社会 』
1958
その他
名著の概要
ジャンル
[
"経済学",
"西洋経済学",
"その他経済学"
]
テーマ
現代社会
経済分析
経済政策
概要
これまでの経済学が貧困,不平等,不安といった生産者側を問題としてきたのに対して,この著作では大衆の豊かさを問題とすべきだとし,豊かな社会だからこそさまざまな需要の喚起法 (たとえば広告やマーケティング) が問題となるとした。
目次
内容
現代社会がインフレ、生産の社会的バランスの喪失、「依存効果」などの病を抱えていることを指摘し、消費中心の社会に警鐘を鳴らし公共サービス拡大を訴えた。
アメリカ経済が成功に向かうためには、大規模な公共事業、例えば高速道路、教育といった分野への投資が必要になるであろうと述べている。また、生産者側の宣伝によって消費者の本来意識されない欲望がかき立てられるとする依存効果(dependence effect)を説いた。
さらに、彼は、それまで疑われることのなかった前提、すなわち「物質生産の持続的増大が経済的・社会的健全性の証である」という考えに対して、疑問を投げかけている。この立場から、彼は、しばしば最初の脱物質主義者(英語版)の一人と考えられている。
この著作は、(ガルブレイスのケネディ大統領への影響力からみて)ケネディ、ジョンソン両政権で実施された公共投資政策、いわゆる「貧困との戦い」に大きく貢献したと考えられている。
ジョン・ケネス・ガルブレイス
カナダ
著者の概要
ジャンル
[
"経済学",
"西洋経済学",
"その他経済学"
]
著者紹介
カナダ出身の制度派経済学者。
身長は2メートルを超え、偉大な業績とも相まって「経済学の巨人」と評された。
20世紀においてその著作が最も読まれた経済学者といっても過言ではない。終身教授であったハーバード大学において、教鞭をとった1934年から1975年にかけて、50作以上の著書と1000を超える論文を著し、またルーズベルト、トルーマン、ケネディ、ジョンソンの各政権に仕えた。1961年、ケネディ大統領は、ガルブレイスを駐インド大使に任命したため、彼は1963年までその任にあった。