『 アルマゲスト 』
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天文学
名著の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"天文学"
]
テーマ
天動説
概要
『アルマゲスト』に書かれていた天動説は惑星の運動を説明するモデルとして1000年以上にわたってアラブ及びヨーロッパ世界に受け入れられた。『アルマゲスト』は現代の我々にとって、古代ギリシアの天文学について知る上での最も重要な情報源となっている。
目次
内容
地球が宇宙の中心にあり、太陽やその他の惑星が地球の周りを回るという天動説を唱えた。ただし、天動説などはプトレマイオスが初めて唱えたわけではなく、『アルマゲスト』の内容は、アリストテレスやヒッパルコスなど、それ以前の古代ギリシアの天文学の集大成である。幾何学におけるエウクレイデスの『原論』のように、『アルマゲスト』はそれまでの天文学を数学的に体系付け、実用的な計算法を整理したことで、何世紀もの間天文学の標準的な教科書としての地位を得た。この中で、当時火星などの惑星で見られた逆行を星が「周転円」という小さな円を描きながら地球の周りを回転することによって起こると説明し、これによって天動説の地位を守った。天体観測の方法や天体の軌道計算、太陽までの距離やその大きさといったあらゆる知識をひとつにまとめたことが天文学におけるプトレマイオスの業績である。
プトレマイオスの宇宙観
『アルマゲスト』の宇宙論は5つの要点を含む。これらはそれぞれ第1巻の中で一章を設けて説明されている。以下は Toomer による、プトレマイオス自身の言葉の意訳である。
天上の世界は球形で、球として動く。
地球は球である。
地球は宇宙の中心に位置する。
地球の大きさは恒星までの距離に比べて極めて小さく、数学的な点として扱うべきである。
地球は動かない。
ペトルス・アピアヌスの Cosmographia(1539年)に描かれている天球図(プトレマイオスの体系と正確に同一ではない)
プトレマイオスの惑星モデル
プトレマイオスは各惑星の天球について内側から順に以下の順序を付けた。
月
水星
金星
太陽
火星
木星
土星
恒星の天球
プトレマイオス
ローマ
著者の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"天文学"
]
著者紹介
数学、天文学、占星学、音楽学、光学、地理学、地図製作学など幅広い分野にわたる業績を残した古代ローマの学者。エジプトのアレクサンドリアで活躍した。
『アルマゲスト』、『テトラビブロス』、『ゲオグラフィア』など、古代末期から中世を通して、ユーラシア大陸の西半分のいくつかの文明にて権威とみなされ、また、これらの文明の宇宙観や世界観に大きな影響を与えた学術書の著者である。