イーリアス
『 イーリアス 』
ホメロス
紀元前8世紀
ギリシヤ文学

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "古代文学", "ギリシア文学", "詩" ]

テーマ

ギリシャ神話 怒り 友情

概要

ギリシア神話を題材とし、トロイア戦争十年目のある日に生じたアキレウスの怒りから、イーリオスの英雄ヘクトールの葬儀までを描写する。ギリシアの叙事詩として最古のものながら、最高のものとして考えられている。叙事詩環(叙事詩圏)を構成する八つの叙事詩のなかの一つである。

目次

内容

アカイア軍(ギリシア)とイリオス軍(トロイア)の戦争中、アカイア軍の総大将アガメムノンから自分の嫁を没収された主人公アキレス。戦士アキレスは総大将の行為に激怒し、この戦争に参加しないことを表明。 強い戦士が動かないアカイア軍は、ゼウスやアテナ女神などの神の加担によって、大苦戦を強いられる。主人公アキレスが動かないことに呆れた親友のパトクロスは、アキレスの防具を借りて相手総大将ヘクトルに戦いを挑む。激戦の末にパトクロスは殺され、主人公アキレスは親友の仇をとるために、アカイア軍の総大将アガメムノンと和解し、相手総大将ヘクトルを倒す。 ヘクトルの老父であるトロイア王プリアモスが贈物を携えてじきじきにアキレスを訪れ、息子の遺体の返還を請う。アキレウスはプリアモスを礼儀正しく迎え、遺体を返す。敵味方を超えて悲しみを共有するのであった。
ホメーロス
ホメロス
ギリシャ

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "古代文学", "ギリシア文学", "詩" ]

著者紹介

紀元前8世紀末のアオイドス(吟遊詩人)であったとされる人物を指す。実在するかはいまだ不明であるが、西洋文学最初期の2つの作品、『イーリアス』と『オデュッセイア』の作者と考えられている。 当時の叙事詩というジャンルを1人で代表するホメーロスが古代ギリシア文学に占める位置は極めて大きい。ホメーロスの作品に与えられていた史料としての価値は、今日では極めて高いものと見做されているため、西洋において叙事詩というジャンルを確立した文学的創造、詩としての価値をさらに高めた。