ゴルディアスの結び目
『 ゴルディアスの結び目 』
小松左京
1977
日本現代戦後文学

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "東洋文学", "日本文学", "現代戦後文学", "SF" ]

テーマ

SF 精神とは 悪とは

概要

小松左京の短編SF小説。「ゴルディアスの結び目」を通して、人類の内面世界に秘められた豊かな可能性や根源的な「悪」について考えることができる。

目次

内容

荒涼たる山脈の只中に隔絶された精神病院アフドゥームに収容中の美少女マリア・K。鋭い牙、頭部に生えた角など不可解な症状をもつ彼女は念動力で寝台を空中に浮かすなどの騒動を起こす。精神分析医の伊藤は、サイコダイビングによってマリアの深層心理を探りその謎を探ろうとするが、奇怪な潜在意識の底に別の宇宙につながる「超空間の穴」のようなものを見つけ、ついに「特異点」の向こう側につきぬける。人間の深層意識と外宇宙をつなぐ奇抜な小説「ゴルディアスの結び目」は小松左京がインナースペースに豊かな可能性を見つけようとした作品と読むこともできる。
小松左京
小松左京
日本

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "東洋文学", "日本文学", "日本現代文学", "日本戦後文学", "SF小説", "日本SF小説" ]

著者紹介

星新一・筒井康隆と共に「SF御三家」と呼ばれ、日本SF界を代表するSF作家でありながら戦後の日本を代表する小説家でもあった。 広範な領域での業績と旺盛な活動力を岡田斗司夫、唐沢俊一らは「荒俣宏と立花隆と宮崎駿を足して3で割らない」と評している。 批評家の東浩紀は「小松は、戦後日本を代表する娯楽作家だっただけではない。また日本SFの創設者だっただけでもない。小松はそれよりもなりよりも、まずは知識人であり教養人であり、その溢れる知性に文学というかたちを与えるとき、SFという表現形式を見出したひとりの思索者だったのだ」と評価した。 代表作には、時間と空間をまたにかけた壮大な長編『果しなき流れの果に』(1966年)が挙げられる。この作品は1997年の『SFマガジン』500号記念号で発表された、「日本SFオールタイムベスト」において長編部門1位を獲得した。さらに短編部門では同じく小松作品の「ゴルディアスの結び目」が1位になった。