パンセ
『 パンセ 』
パスカル
1670
西洋近代哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学" ]

テーマ

思考とは 欲望について 自我について 共同体について 認識について ・・・他多数

概要

パスカルが思いついた断片的な記述を死後に編著した著書。哲学・神学、傑出した知性による思索の書、人生論、モラリスト文学、宗教書、等様々な側面がある。

目次

内容

『パンセ』全体は様々なジャンルに属する、と人々から見なされてきた。哲学・神学、傑出した知性による思索の書、人生論、モラリスト文学、宗教書、等々。もともとパスカルの意図としては、護教書執筆の構想があり、それの材料となる断片を書きためていたらしいということが諸研究により次第に明らかになってきた。もっとも、それを踏まえたとしても『パンセ』はその思索・思想の奥深さと、つきつけてくるテーマの多様性と鋭さなどにより、やはり護教書に留まるものではないと見なされている。人間の欲望の構造、個人と共同体の問題、他者の存在によって想像的な自我が生ずること、認識と視点・言語との関係、テキスト解釈と暗号の問題、等々の重要で深遠なテーマが扱われており、特定の思想的・宗教的な立場を超えており、現代でもそのテーマの重要性は変わっていない。それゆえ現代でも世界中の人々によって読み継がれているのである。 『パンセ』は箴言を多数含んでいることでも知られている。例えば「人間は考える葦である」という有名な言葉も『パンセ』の中にパスカルが残した言葉である。正確には「人間はひとくきの葦にすぎず、自然の中で最も弱いものである。しかし、考える葦である」がおおよその訳である。「葦のように人間はひ弱なものであるが、思考を行う点で他の動物とは異なっている」という事を示す言葉と言われている。 また、「クレオパトラの鼻。それがもっと低かったなら、大地の全表面は変わっていただろう」、1990年にベストセラーになった『7つの習慣』でも引用されている「心情は、理性の知らない、それ自身の理性を持っている」も有名である。
パスカル
パスカル
フランス

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学" ]

著者紹介

フランスの哲学者、自然哲学者、物理学者、思想家、数学者、キリスト教神学者、発明家、実業家。 神童として数多くのエピソードを残した早熟の天才で、その才能は多分野に及んだ。ただし、短命であり、三十代で逝去している。 「人間は考える葦である」などの多数の名文句やパスカルの賭けなどの多数の有名な思弁がある遺稿集『パンセ』は有名。その他、パスカルの三角形、パスカルの原理、パスカルの定理などの発見で知られる。