ファウスト
『 ファウスト 』
ゲーテ
1806
近代ドイツ戯曲

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "近代文学", "近代ドイツ文学", "詩", "戯曲" ]

テーマ

憂い 快楽 悲哀 誘惑 恋

概要

『ファウスト』は二部構成で、第一部は1808年、第二部はゲーテの死の翌年1833年に発表された。15世紀から16世紀頃のドイツに実在したと言われる、高名な錬金術師ドクトル・ファウストゥスの伝説を下敷きとして、ゲーテがほぼその一生を掛けて完成させた大作である。

目次

内容

第一部 ファウストが悪魔メフィストと出会い、死後の魂の服従を交換条件に、現世で人生のあらゆる快楽や悲哀を体験させるという契約を交わす。ファウストは素朴な街娘グレートヒェンと恋をし、とうとう子供を身籠らせる。そして逢引の邪魔となる彼女の母親を毒殺し、彼女の兄をも決闘の末に殺す。そうして魔女の祭典「ワルプルギスの夜」に参加して帰ってくると、赤子殺しの罪で逮捕された彼女との悲しい別れが待っていた。 第二部 皇帝の下に仕えるファウストは、メフィストの助けを借りて国家の経済再建を果たす。その後、絶世の美女ヘレネーを求めて、人造人間ホムンクルスやメフィスト達と共にギリシャ神話の世界へと旅立つ。ファウストはヘレネーと結婚し、一男を儲けるが、血気に逸るその息子はやがて死んでしまう。 現実世界に帰って来たファウストは、巧みな戦術で皇帝を戦勝へと導き、広大な所領を授けられる。やがて海を埋め立てる大事業に乗り出すが、灰色の女「憂い」によって両眼を失明させられる。そしてメフィストと手下の悪魔達が墓穴を掘る音を、民衆の弛まぬ鋤鍬の音だと信じ込み、その時に夢想する幸福な瞬間について「この瞬間が止まってほしい」とも言えるのだと云う想いを抱きながら死ぬ。その魂は、賭けに勝ったから自分の物だとするメフィストフェレスの意に反して、かつての恋人グレートヒェンの天上での祈りによって救済される。
ゲーテ
ゲーテ
ドイツ

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "近代文学", "近代ドイツ文学", "戯曲" ]

著者紹介

イツを代表する文豪であり、小説『若きウェルテルの悩み』、『ヴィルヘルム・マイスターの修業時代』、叙事詩『ヘルマンとドロテーア』、詩劇『ファウスト』など広い分野で重要な作品を残した。 文学家としての一面だけでなく、政治家や自然科学者としての顔もあった。自然科学者として「植物変態論」、「色彩論」などの著作を残している。