ブリキの太鼓
『 ブリキの太鼓 』
ギュンター・グラス
1959
現代ドイツ文学

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "西洋文学", "ドイツ文学", "現代ドイツ文学" ]

テーマ

戦争体験 戦争下の人間心理

概要

ドイツの作家ギュンター・グラスが1959年に発表した処女作であり長篇小説である。『猫と鼠』(1961年)、『犬の年』(1963年)と続く、いわゆる「ダンツィヒ三部作」の最初を飾る作品であり、第二次世界大戦後のドイツ文学における最も重要な作品の一つに数えられる。

目次

内容

1954年、精神病院の住人である30歳のオスカル・マツェラートが看護人相手に自らの半生を語るという形で物語は進行していく。体は幼児で、精神年齢は成人のオスカルは、冷めた視点で世の中を見つめ、その悪魔的所業で、自分を愛してくれている周囲の人間を次々に死に追いやる良心を持たない人間として描写されているが、最終的に自分を保護してくれる人間がいなくなったことに気が付き愕然とすることになる。 局外者であるオスカルの眼を通し、ナチ党政権前後におけるダンツィヒ自由市の小市民的心性、戦前・戦中・戦後の遍歴などを描く。
ギュンター・グラス
ギュンター・グラス
ドイツ

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "西洋文学", "ドイツ文学", "現代ドイツ文学" ]

著者紹介

ドイツの小説家、劇作家、版画家、彫刻家。代表作に『ブリキの太鼓』など。1999年にノーベル文学賞受賞。 第二次大戦で少年兵とし召集されアメリカ軍捕虜となる。釈放後は石工、抗夫等をしながらデュッセルドルフ美術学校で彫刻と絵画を学ぶ。1950年代半ばから詩と戯曲を書き始め「47年ブループ」で活動。長編処女作「ブリキの太鼓」(’59年)を発表し戦後最大の物語作家として世界の注目を浴びる。60年代からは政治に参加、社会民主党を支援し’82年入党。「猫と鼠」(’61年)、「犬の年」(’63年)、戯曲「賎民の暴動稽古」(’66年)、「ひらめ」(’77年)等の作品がある。