『 プリンキピア・マテマティカ 』
1913
数学
名著の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学",
"科学",
"数学"
]
テーマ
概念の量化
概要
記号論理学において、明示された公理の一組と推論規則から数学的真理すべてを得る試みである。『プリンキピア』のための主なインスピレーションと動機の1つは論理学に関するフレーゲの初期の仕事で、それがパラドックスをもたらすことをラッセルが発見したのである。 プリンキピアは、数学論理と哲学においてアリストテレスの『オルガノン』以来もっとも重要で独創的な仕事の一つと、広く専門家に考えられている。
目次
はじめに(原著序文)
『プリンキピア・マテマティカ』第1版への序論
まえがき
第1章 種々の概念と表記法についての予備的説明
第2章 論理的タイプの理論
I 悪循環原理
II 命題関数の性質
III 真と偽の定義並びにその体系的な多義性
IV なぜ関数は特定のタイプの代入項を要求するか
V 関数および命題の階層体系
VI 還元公理
VII 還元公理を承認する理由
VIII 矛盾
第3章 不完全記号
I 記述
II クラス
III 関係
内容
自然数(基数)は集合によって定義され,これをもとにいっさいの数学(解析学)的命題は論理学のことばで述べられ,論理学の原理から導き出されるという,数学基礎論における論理主義の立場を実際に行ってみたもの。ここでいう論理学は数理論理学(記号論理学)で,この論理学もこの本で初めて便利に記号化され,欠点はあるがほぼ完全に体系化された。
ラッセル
イギリス
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学",
"科学",
"数学"
]
著者紹介
イギリスの哲学者、論理学者、数学者であり、社会批評家、政治活動家である。ラッセル伯爵家の貴族であり、イギリスの首相を2度務めた初代ラッセル伯ジョン・ラッセルは祖父にあたる。名付け親は同じくイギリスの哲学者ジョン・スチュアート・ミル。ミルはラッセル誕生の翌年に死去したが、その著作はラッセルの生涯に大きな影響を与えた。1950年にノーベル文学賞を受賞している。
ケンブリッジ大学で教鞭をとる。ルートヴィヒ・ウィトゲンシュタインの才能を早くに見抜き、親交を結ぶとともに、良き理解者として『論理哲学論考』の出版などを支援した(が寄せた序文には大幅な誤解があった)。
ラッセルはアリストテレス以来最大の論理学者の1人であり、その業績は、従来の体系におけるパラドックスの発見と、その解決の探求のなかで成し遂げられた。特にラッセルのパラドックスで知られる。
この時期、ラッセル自身もまた、ホワイトヘッドとともに、論理主義の立場から論理上で実際に数学を展開するという事業に取り組んでいた。ラッセル自身のパラドックス解決の試みは、1903年、「階型理論」(theory of types) の発見により成功をおさめた。ラッセルは、この成功を礎に、階型理論に基づく高階論理上で全数学を展開するという一大事業を押し進め、その努力は、『数学原理』Principia Mathematica(1911-1913年)として結実した。
「プリンキピア・マセマティカ」により一つの仕事を成し遂げたと考えた彼は、今後は、後世の人々のために「人生いかにいくべきか」「幸福になるにはどうしたらよいか」といった誰もがぶつかる問題を、自らの原点を踏まえて考究し書き残そうとした。
その最たるものとして、三大幸福論にも数えられる『幸福論』を著した。