プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神
『 プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神 』
マックス・ウェーバー
1905
西洋現代社会学

名著の概要

ジャンル

[ "社会学", "西洋社会学", "哲学", "西洋哲学", "西洋現代社会学", "西洋現代哲学" ]

テーマ

資本主義とは何か

概要

プロテスタントの世俗内禁欲が資本主義の「精神」に適合性を持っていたという、逆説的な論理を提出し、近代資本主義の成立を論じるとともに、現在の資本主義はプロテスタントの倫理を失い外圧によってのみ成立しているとして、そこに存続の危機があると主張した。

目次

内容

エミール・デュルケームは、フランス第三共和政期に、世俗教育の進展にともない、道徳教育の根拠を、神から社会に置き換える必要性から、この著作を著した。 デュルケームによれば、道徳は命令の体系ではなく、禁止の体系である。また、個人が制定過程に関与するものではなく、社会から外部的に与えられるものである。さらに、道徳には強制により実現される義務と、それを遵守すれば社会から果実を得られる善とがあるとした。 デュルケームによれば、子供の心理特性には、習慣に固執する、暗示にかかりやすい、といったものがある。子供は、いったん獲得した習慣を容易に放棄しないが、暗示によって新しい習慣を獲得したならば、今度はその新しい習慣に固執し、生活習慣の形成にも役立つという。このような道徳教育は、学童期が最適であるとした。 子供が最初に経験する社会集団は家族である。しかし、家族という比較的個人的な範疇の社会集団と、地域や国、国際社会という、より公共性のありかたが問題となる社会集団とは落差が大きい。そのために、学校という橋渡しが必要になる。また、その中でこのような「道徳性」を涵養する場が必要となってくる。この意味で、現代における「道徳教育」は現代社会と関わりながら生きる個人としてどうあるべきか、という「公共性」形成が重要となる。
マックス・ウェーバー
マックス・ウェーバー
ドイツ

著者の概要

ジャンル

[ "社会学", "西洋社会学", "哲学", "西洋哲学", "西洋現代社会学", "西洋現代哲学" ]

著者紹介

ドイツの政治学者・社会学者・経済学者である。 社会学の黎明期のコントやスペンサーに続く、第二世代の社会学者としてエミール・デュルケーム、ゲオルグ・ジンメルなどと並び称される。 ヴェーバーは、西欧近代の文明を他の文明から区別する根本的な原理は「合理性」であるとし、その発展の系譜を「現世の呪術からの解放」と捉え、それを比較宗教社会学の手法で明らかにしようとした。 そうした研究のスタートが記念碑的な論文である「プロテスタンティズムの倫理と資本主義の精神」(1904年-1905年)である。この論文の中で、ヴェーバーは、西洋近代の資本主義を発展させた原動力は、主としてカルヴィニズムにおける宗教倫理から産み出された世俗内禁欲と生活合理化であるとした。