ホーキング、宇宙を語る
『 ホーキング、宇宙を語る 』
スティーヴン・ホーキング
1988
天文学

名著の概要

ジャンル

[ "科学", "西洋科学", "天文学" ]

テーマ

宇宙について

概要

宇宙についての一般向けの書籍である。 ベストセラーとなり、20年間で1,000万部以上の売り上げを記録した。 また、ロンドンのサンデー・タイムズ紙では4年以上もベストセラーリストに選ばれ続けた。

目次

内容

ホーキングは専門家ではない読者に向け、ビッグバン、ブラックホール、光円錐を含めた宇宙論の一分野を説明しようと試みている。彼の主な目的はその分野の概観を伝えることであるが、ある種の込み入った数学を説明することにもまた試みている。 彼の著作の1996年度に出版されたものとその後続の版において彼はタイムトラベルとワームホールについて論じ、時間の始まりにおいては量子特異点無しに宇宙が存在し得るとの可能性を探究している。 1983年初期に、ホーキングは初めてケンブリッジ大学出版局で天文学に関する書籍の担当であったサイモン・ミットンと会い、一般向けの宇宙論の本を書く構想を示した。 ミットンはその草稿に書いてあるあらゆる方程式に対し、難解すぎるのではと疑義を差し挟んだ。それらの方程式によりホーキングが待ち望んでいた空港の本屋での購入者に購入を思いとどまらせてしまうのではとも考え、少々困難を伴ったが、彼はホーキングにひとつの方程式を残しその他の方程式をすべて除去するよう説得した。 著者は本の謝辞で、もし本に方程式をひとつ書くごとに読者数が半減するだろうとの趣旨の忠告を受けたため、この本にはひとつの方程式:E = mc2しかない、と述べている。探究対象の概念の詳細を述べるために、この本ではたくさんの複雑なモデル、図、挿絵等が用いられている。
スティーヴン・ホーキング
スティーヴン・ホーキング
イギリス

著者の概要

ジャンル

[ "科学", "西洋科学", "天文学" ]

著者紹介

イギリスの理論物理学者。 一般相対性理論と関わる分野で理論的研究を前進させ、1963年にブラックホールの特異点定理を発表し世界的に名を知られた。1971年には「宇宙創成直後に小さなブラックホールが多数発生する」とする理論を提唱、1974年には「ブラックホールは素粒子を放出することによってその勢力を弱め、やがて爆発により消滅する」とする理論(ホーキング放射)を発表、量子宇宙論という分野を形作ることになった。 また、一般人向けに現代の理論的宇宙論を平易に解説するサイエンス・ライターの才能も持ち合わせており、その著作群が各国で翻訳されており、これでも人々によく知られている(日本語版は『ホーキング、宇宙を語る』など)。 「車椅子の物理学者」としても知られる。1960年代、学生の頃に筋萎縮性側索硬化症(ALS)を発症したとされている。ALSは長い間、発症から5年程度で死に至る病であると考えられていたが、途中で進行が急に弱まり、発症から50年以上にわたり研究活動を続けた。晩年は意思伝達のために重度障害者用意思伝達装置を使っており、スピーチや会話ではコンピュータプログラムによる合成音声を利用していた。 追悼式がロンドンのウェストミンスター寺院で執り行われた。博士の遺灰は、アイザック・ニュートンら著名な科学者の墓の近くに埋葬された。