モルグ街の殺人
『 モルグ街の殺人 』
エドガー・アラン・ポー
1841
近代アメリカ文学

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "近代文学", "近代アメリカ文学" ]

テーマ

推理 恐怖

概要

史上初の推理小説とされており、天才的な探偵と平凡な語り手、結末近くでの推理の披露、意外な犯人像など、以後連綿と続く推理小説のジャンルにおける原型を作り出した。また、本作の素人探偵C・オーギュスト・デュパンは、シャーロック・ホームズの原型となった探偵とされている。

目次

内容

パリに長期滞在している、名前が登場しない語り手は、C・オーギュスト・デュパンの幅広い読書範囲と卓抜な観察力、分析力にほれ込み、古びた家を借りて一緒に住むことになる。デュパンは、ある晩、街を歩いているとき、語り手が黙考していたことをズバリと言い当てて語り手を驚かせたが、その推理過程を聞くと非常に理にかなったものであった。 そんなとき、ある猟奇殺人の新聞記事が二人の目に止まる。「モルグ街」のアパートメントの4階で起こった事件で、二人暮らしの母娘が惨殺されたのだった。娘は首を絞められ暖炉の煙突に逆立ち状態で詰め込まれていた。母親は裏庭で見つかり、首をかき切られて胴から頭が取れかかっていた。 部屋の中はひどく荒らされていたが、金品はそのまま。さらに奇妙なことに、部屋の出入り口には鍵がかかっており、裏の窓には釘が打ち付けられていて、人の出入りできるところがなかった。また多数の証言者が、事件のあった時刻に犯人と思しき二人の人物の声を聞いており、一方の声は「こら!」とフランス語であったが、もう一方の甲高い声については、ある者はスペイン語、ある者はイタリア語、ある者はフランス語だったと違う証言をする。 この謎めいた事件にデュパンと語り手はどう犯人を見つけ出すのか。
エドガー・アラン・ポー
エドガー・アラン・ポー
アメリカ

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "近代文学", "近代アメリカ文学" ]

著者紹介

ゴシック風の恐怖小説「アッシャー家の崩壊」「黒猫」、世界初の推理小説と言われる「モルグ街の殺人」、暗号小説の草分け「黄金虫」など多数の短編作品を発表、また1845年の詩「大鴉」でも評判を取った。 また同時に有能な雑誌編集者であり、文芸批評家でもあったが、飲酒の悪癖などでトラブルを起こす癖があり、いくつもの出版社を渡り歩いた。