ユリシーズ
『 ユリシーズ 』
ジェイムズ・ジョイス
1922
現代イギリス文学

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "現代文学", "現代イギリス文学", "西洋文学", "西洋現代文学", "イギリス文学" ]

テーマ

長編小説 文章表現

概要

20世紀前半のモダニズム文学におけるもっとも重要な作品の一つであり、プルーストの『失われた時を求めて』とともに20世紀を代表する大長編小説とみなされている。

目次

内容

タイトルの『ユリシーズ』はオデュッセウスのラテン語形の英語化であり、18の章からなる物語全体の構成はホメロスの『オデュッセイア』との対応関係を持っている。しかし、オデュッセイアの主人公が英雄オデュッセウスであるのに対して、冴えない中年の広告取りレオポルド・ブルームの過ごすアイルランド・ダブリンのある一日(1904年6月16日)を描いている点が特徴的。非常に実験的な文体であり、各章ごとに異なる文体を用いているなど、膨大な情報量が特徴で、「ダブリンの街が消えても、ユリシーズがあれば情景を復元できる」と言われているほど。文学、テキストによる表現の極限を目指した作品である。
ジェイムズ・ジョイス
ジェイムズ・ジョイス
イギリス

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "現代文学", "現代イギリス文学" ]

著者紹介

連合王国のダブリン(現アイルランド)に生まれる。青年期以降はトリエステ・チューリヒ・パリなど、ヨーロッパを転々としながら「沈黙・流浪・狡猾」の姿勢で創作活動を続けた。意識の流れ、神話的方法、音楽的技法、パロディ、造語など、テクストによる表現の可能性を極限まで追求したことで知られる。その後の世界の文学に大きな影響を与え、20世紀最大の作家の一人と称される。