不確実性の時代
『 不確実性の時代 』
ジョン・ケネス・ガルブレイス
1977
その他

名著の概要

ジャンル

[ "経済学", "西洋経済学", "その他経済学" ]

テーマ

現代社会 不確実性とは

概要

巨大企業、大都市化、途上国の貧困などの問題を指摘し、その本質を哲学がないことによる判断基準が不透明であることによる不確実性だと喝破した名著。世界的ベストセラーとなった。

目次

内容

本書の主題は、「かつて十八世紀十九世紀といった時代には、社会経済体制の指導原理の上で人びとに確信を与え得るような哲学があり、それが人びとの判断力の支えになっていた。ところが現代では、そういう確信をもてるような哲学がなくなってしまった。」である。 経済学の開祖アダム・スミスは、個人の自由な経済活動によって国が富んでゆくという「見えざる手」の理論を提唱したが、現在ではほとんど通用しなくなっている。つまりアダム・スミスに冷たく扱われた法人企業というものがいまはたいへん大きな力をもっているし、また国家そのものが大きな力を発揮するようになってきている。 またマルクスは、資本主義が崩壊し、労働者の社会ないしは無階級の社会が出てくることを予言したが、これも現在は事実によって否定されてしまった。 十字軍の時代から、植民地主義というものが、一つの大きな力を欧米社会に与えていたが、これもベトナム戦争の失敗とともに終わりを告げてしまった。 さらに米ソの軍事的な対立、軍拡の競争、核戦争の脅威などが現在というものを最も不確かなものにしている。これを真正面から受けとめる勇気をもった指導者、たとえばマーチン・ルーサー・キングとか、ネールのような人格がいまこそ要請されているという。
ガルブレイス
ジョン・ケネス・ガルブレイス
カナダ

著者の概要

ジャンル

[ "経済学", "西洋経済学", "その他経済学" ]

著者紹介

カナダ出身の制度派経済学者。 身長は2メートルを超え、偉大な業績とも相まって「経済学の巨人」と評された。 20世紀においてその著作が最も読まれた経済学者といっても過言ではない。終身教授であったハーバード大学において、教鞭をとった1934年から1975年にかけて、50作以上の著書と1000を超える論文を著し、またルーズベルト、トルーマン、ケネディ、ジョンソンの各政権に仕えた。1961年、ケネディ大統領は、ガルブレイスを駐インド大使に任命したため、彼は1963年までその任にあった。