人間の権利
『 人間の権利 』
トマス・ペイン
1791
西洋近代政治学

名著の概要

ジャンル

[ "政治学", "西洋政治学", "西洋近代政治学" ]

テーマ

権利について 自由について 平等について

概要

エドマンド・バークの『フランス革命の省察』に対する返答として、書かれた著書。フランス革命を擁護するものとして翻訳されているが、自由思想と人間の平等を具体的に体系化した著作。

目次

内容

人間の権利宣言はペインの思想を最も良く表しているといえる。 人は生まれながらにして自身の権利に関する限りは自由にして平等である。従って差別は公共の利益にのみ基づいて行うことができる。 あらゆる政治結社が終わりを迎えることは、生まれながらに定められた人間の権利が保護されることであり、こうした権利は自由、私有財産、安全、圧制に対して抵抗する権利である。 国民は本質的にあらゆる主権の源であり、いかなる個人や人体もそこから特別な権力を得られることはない。 上記の3点は、アメリカ独立宣言の「自明の真理」に近い。 ペインの影響は、18世紀の2つの大革命に影響を与えた。『人間の権利』は、アメリカとフランスの革命で重要な役割を果たしたワシントン将軍とラファイエットに捧げられている。トーマス・エジソンはペインをアメリカ独立戦争の真の父の一人とみなし、「アメリカの解放を可能にした点でワシントンに匹敵する人物であった。ワシントンが実行したことは、ペインが考え書いたことである。」と言った。
トマス・ペイン
トマス・ペイン
イギリス

著者の概要

ジャンル

[ "政治学", "西洋政治学", "西洋近代政治学" ]

著者紹介

イギリス出身のアメリカ合衆国の哲学者、政治活動家、政治理論家、革命思想家。 1776年1月10日、フィラデルフィアでペインが執筆した政治パンフレット『コモン・センス』(Common Sense、「常識」の意)の初版がその年の末までに56版を数え15万部が売れたという。民主的平和論を説き植民地の権利を守らないイギリスの支配から脱し、アメリカが独立するという考えは「Common sense」(常識)であると説いた。 1791年と翌年にかけて『人間の権利』(Rights of Man)を出版し、1793年までイギリスで200万部を売りつくしたと試算される。『人間の権利』第2部で土地貴族を攻撃し世襲君主制への敵意を表明したためイギリス政府に追放された。 パリに渡り、1791年10月にはフランスの市民権を与えられ国民公会によって新憲法の草案作成委員会に加えられた。その時の委員の顔ぶれには、ダントンやシェイエース、コンドルセが見られ、憲法草案の前文はペインとコンドルセが書いたといわれる。