人間悟性論
『 人間悟性論 』
ジョン・ロック
1690
西洋近代哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学" ]

テーマ

人間の知識について

概要

本書の中心的な主題は人間の知識である。人間の知識がどれほどの範囲内において確実性を持ちうるのかを明らかにすることが重要な問題として研究を行った著書。

目次

内容

本書『人間悟性論』はあらゆる事柄を明らかにすることではなく、人間の行為に関連するものを知ることを研究の目標としている。ロックは基本的な視座として知識の限界を識別することで悟性を観察対象とする。そして観念が発生する起源、悟性が観念により得る知識の性質と範囲、そして信仰や見解の根源について順に検討する。 ロックは生得論を批判し、観念が発生する以前の心の状態が白紙(タブラ・ラーサ)であると考えた。あらかじめ感性のうちに存しなかったものは、知性のうちに存しないのである。観念はそれ自体が複雑なものであっても、すべて経験に由来するものであると捉えられる。つまり、外界から得られた感覚現象とそれへの心理的作用により観念は発生しており、それが悟性に材料を提供している。観念には「単純観念」とそれを組み合わせた「複合観念」があり、その内容には物体の客体的性質と物体に対する主観的内容が含まれる。 ロックの議論は経験論の立場から知識の源泉である観念の発生とその形式や内容について明らかにし、言語や知識との関係性について説明を試みている。
ジョン・ロック
ジョン・ロック
イギリス

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学", "政治学", "西洋政治学", "西洋近代政治学" ]

著者紹介

イギリスの哲学者。哲学者としては、イギリス経験論の父と呼ばれ、主著『人間悟性論』(『人間知性論』)において経験論的認識論を体系化した。また、政治哲学者としての側面も非常に有名である。『統治二論』などにおける彼の自由主義的な政治思想は名誉革命を理論的に正当化するものとなり、その中で示された社会契約や抵抗権についての考えはアメリカ独立宣言、フランス人権宣言に大きな影響を与えた。