『 今日の芸術 』
1954
芸術論
名著の概要
ジャンル
[
"芸術学",
"西洋芸術学",
"芸術論"
]
テーマ
今日の芸術
芸術とは何か
概要
「今日の芸術は、うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない」。―斬新な画風と発言で大衆を魅了しつづけた岡本太郎。この書は、刊行当時、人々に衝撃を与え、ベストセラーとなった。彼が伝えようとしたものは何か?時を超え、新鮮な感動を呼び起こす「伝説」の名著。
目次
内容
芸術は「うまくあってはならない。きれいであってはならない。ここちよくあってはならない。」と宣言している。これは手先の巧さ、美しさ、心地よさは、芸術の本質とは全く関係がなく、むしろいやったらしさや不快感を含め、見る者を激しく引きつけ圧倒することこそが真の芸術と説いている。
美術、歴史、民族学など広範な知識を駆使し、論理的に展開しているが、創作者の実体験に基づく論述だけに退屈させない。また全編を貫く著者の芸術に対する深い信念が文章に勢いを与え、停滞を嫌い常に前進する画家の人間像が印象に残る。刊行当時、芸術を志す者に競って読まれた本書は、簡略だがオーソドックスな美術史入門でもある。
第1章 なぜ芸術があるのか
第2章 わからないということ
第3章 新しいということは、何か
第4章 芸術の価値転換
第5章 芸術はすべての人の創るもの
第6章 われわれの土台はどうか
岡本太郎
日本
著者の概要
ジャンル
[
"芸術学",
"東洋芸術学",
"芸術論"
]
著者紹介
日本の芸術家。
芸術への迷いが続いていたある日、たまたま立ち寄ったポール=ローザンベール画廊でパブロ・ピカソの作品《水差しと果物鉢》を見て強い衝撃を受ける。そして「ピカソを超える」ことを目標に絵画制作に打ち込むようになる。
岡本は、この時の感動を著書『青春ピカソ』(1953年)において「私は抽象画から絵の道を求めた。(中略)この様式こそ伝統や民族、国境の障壁を突破できる真に世界的な二十世紀の芸術様式だったのだ」と述べている。