仕事と日
『 仕事と日 』
ヘシオドス
紀元前8世紀
ギリシャ神話

名著の概要

ジャンル

[ "文学", "古代文学", "ギリシア文学", "詩" ]

テーマ

誠実な労働生活の処世術 怠惰 正義

概要

ヘーシオドスが紀元前700年頃に書いた828節からなる古代ギリシアの詩。この詩は2つの世間一般の定説をめぐって展開されている。一つは、労働こそ人間のすべてであり、働くものだけが得ることができるということである。もう一つは、古代の互酬関係の崩壊について記した文献であるという指摘もある。

目次

内容

『仕事と日』は、財産をめぐって争っていた弟のペルセースに語りかける形で、まず女神エリス、パンドーラー、人類の5つの時代(黄金時代、銀の時代、青銅時代、英雄時代、鉄の時代)の神話を語る。 続いて、誠実な労働生活の助言・叡智・処世術を教え、汚い金儲け・怠惰・(弟ペルセースに有利な判決を下した)不正な裁判官を非難する。 ヘーシオドスは正義も不正も、地上を見回る不死なる神々にはお見通しで、労働はすべての善の源と見なされ、神々も人間も、ミツバチの巣の中で何もしないごくつぶしのミツバチに似た働かざる者を憎んでいると語っている。
ヘーシオドス
ヘシオドス
ギリシャ

著者の概要

ジャンル

[ "文学", "古代文学", "ギリシア文学", "詩" ]

著者紹介

古代ギリシアの叙事詩人。紀元前700年頃に活動したと推定される。 『神統記』は神々の誕生と戦いを描きゼウスの王権の正当性を主張している。ここに表れる王権の交替神話にはメソポタミア神話の影響が色濃く見られる。 『仕事と日』は世界で最初の農事暦となっている。農業の指南用のものではなく、農業を題材に取ったことそのものに意味があるとも考えられている。