価値と資本
『 価値と資本 』
ヒックス
1939
新古典派

名著の概要

ジャンル

[ "経済学", "西洋経済学", "西洋近代経済学", "新古典派" ]

テーマ

経済について 一般均衡について 厚生経済学について

概要

現代ミクロ経済学と 一般均衡理論のほとんどはこの本がルーツ。ワルラスやパレートの一般均衡理論とマーシャルの均衡の時間的構造論とを結びつけ、一時的均衡論として動学的経済理論(予想、期待を中心概念とする)を構想した名著。現代経済理論の中核である一般均衡理論の動学化はこの書物によって始まった。

目次

内容

無差別曲線の理論やこれを用いた効用最大化の理論、一般均衡の静学的安定性の条件、予想の弾力性概念による一般均衡理論の現代化を行った。 また、補償変分、等価変分などの消費者余剰の概念の明確化し、カルドア・ヒックス基準と呼ばれる「補償」に関する指標を構築し、新厚生経済学の確立した。 これらは、序数的効用に基づくミクロ経済学の基礎と分析方法を確立し、大陸ヨーロッパ学派が主張する理論の根拠を与えるものになった。
ヒックス
ヒックス
イギリス

著者の概要

ジャンル

[ "経済学", "西洋経済学", "西洋近代経済学", "新古典派" ]

著者紹介

英国の経済学者。経済学における20世紀で最も偉大な学者の一人。 現在のミクロ経済学・マクロ経済学の全域に貢献した。ロビンズサークルおよびケインズサーカスの関係者である。 爵位を賜ったことと学問的業績に敬意を表して「ヒックス卿」、ヒックス以降は経済学の中心が英国からアメリカに移ったことから「英国最後の大経済学者」などとも呼ばれる。 福祉比較に関するカルドア・ヒックス基準と呼ばれる「補償」に関する指標を構築し、新厚生経済学と呼ばれる分野を確立した。 その他、ミクロ経済学の限界生産力説を定式化、ジョン・メイナード・ケインズの『雇用・利子および貨幣の一般理論』をIS-LM理論により体系化、などマクロ経済学・ミクロ経済学両面で多大な貢献をした。