光学
『 光学 』
アイザック・ニュートン
1704
物理学

名著の概要

ジャンル

[ "科学", "西洋科学", "物理学" ]

テーマ

光について

概要

ニュートンが1660年代からおこなっていた光学研究を集大成した書物である。いわゆる光の粒子説でも知られる。

目次

内容

第一篇は、1672年に王立協会で読み上げられた「光と色についての新理論」と内容的には一致しており、そこで提唱されていることは、白色光はあらゆる色の光が混ざったものである、ということや、色彩が異なると屈折率も異なる、ということである。これは、当時の常識「光は本来白色である」「屈折されることで色を帯びる」を覆すものである。 第二篇は、1675年に王立協会に送られた「観測を含む論述」をおおむね再録したものである。色彩現象を扱う。凸レンズを用いた巧みな実験によって、膜の厚みと現れる色とが関係していることを数量的に示した。(この色彩現象は現在では「Newton's ring ニュートン・リング」と呼ばれるようになっている)。 第三篇は回折現象を扱っている。 そして第三篇の末尾にQueries という章(queryを複数集めたもの)がある。このqueryは初版では16個であったが、版を重ねるごとにその数が増え、最終的には31個にまで増え、70ページほどにも及ぶ。 第三篇の末尾のQueriesという文章群(queryは邦訳では「疑問」あるいは「問い」などと訳されている)は、後世まで大きな影響を及ぼしている。このQueriesの章というのは、ニュートンの光学観だけでなく彼の物質観や神観(神学)までが表明されていて、彼の自然哲学の本質的なところを示しており、彼に続く者たちに探求すべき課題を提示している。
アイザック・ニュートン
アイザック・ニュートン
イギリス

著者の概要

ジャンル

[ "科学", "西洋科学", "物理学" ]

著者紹介

イギリスの自然哲学者、数学者、物理学者、天文学者、神学者。 万有引力の法則と運動方程式について述べ、古典数学を完成させ、古典力学(ニュートン力学)を創始。これによって天体の運動を解明した。光学において光のスペクトル分析などの業績も残した。ニュートン式反射望遠鏡の製作でも有名である。 ニュートンは、地球と天体の運動を初めて実験的に示し、太陽系の構造について言及した。また、ケプラーの惑星運動法則を力学的に解明した一人であり、天体の軌道が楕円、双曲線、放物線に分かれることを示した。また光の粒子説を唱え、白色光がプリズム混合色であるとして色とスペクトルの関係について唱えた。虹の色数を7色だとしたのも彼である。 ほかにも、ニュートンの冷却の法則、運動量および角運動量の保存の法則の端緒をつけ、空気中での音速や恒星の起源などについて言及した(なお、現在の視座では多くが不正確なものであり、正しく完成させたのは後世の学者たちである)。 数学分野においては微分積分法の発見が特に重要な業績である。