創造的進化
『 創造的進化 』
ベルクソン
1907
西洋現代社会学

名著の概要

ジャンル

[ "社会学", "西洋社会学", "西洋現代社会学", "哲学", "西洋哲学", "西洋現代哲学" ]

テーマ

進化について

概要

この本の中で、ベルクソンは、当時人口に膾炙していたスペンサーの社会進化論から出発し、『試論』で意識の流れとしての「持続」を提唱した。そして、『物質と記憶』で論じた意識と身体についての考察を生命論の方向へとさらに押し進めた。

目次

内容

創造的進化は、ベルクソンにおける意識の持続の考え方を広く生命全体・宇宙全体にまで推し進めたものといえる。 ダーウィンの進化論における自然淘汰の考え方では、淘汰の原理に素朴な功利主義しか反映されていない。しかし実際に起こっている事態は異なる。それよりはるかに複雑かつ不可思議な、生を肯定し、生をさらに輝かせ進化させるような力、種と種のあいだを飛び越える「タテの力」、「上に向かう力」が働き、突然変異が起こるのである。 そこで生命の進化を推し進める根源的な力として想定されたのが、"élan vital"「エラン・ヴィタール 生命の飛躍(生の飛躍)」である。 ベルクソンはここで、普遍的なものが実在するという大胆かつ前科学的な立場を肯定しており、経験論、唯名論に対する少数派、中世的な実在論に身を置いている。
ベルクソン
ベルクソン
フランス

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "芸術学", "西洋現代哲学", "西洋芸術学", "美学", "社会学", "西洋社会学", "西洋現代社会学" ]

著者紹介

フランスの哲学者。 ハーバート・スペンサーの著作を熟読して、実証主義・社会進化論への理解を深めた。 生きた現実の直観的把握を目指すその哲学的態度から、ベルクソンの哲学はジンメルなどの「生の哲学」といわれる潮流に組み入れられることが多い。 ベルクソンの哲学は、当時の人々だけでなく、後の世代にも大きい影響を与えた。その影響は、弟子のガブリエル・マルセル、ハイデッガー、ジャンケレヴィッチ、ウィリアム・ジェームズ、サルトル、バシュラール、レヴィナス、メルロ=ポンティ、アルフレッド・シュッツ、エティエンヌ・ジルソン、ジャック・マリタン、ドゥルーズ、西田幾多郎といった哲学者たちのみならず、政治哲学者のジョルジュ・ソレルや人類学者のレヴィ=ストロース、作家のプルーストなど幅広くに及んでいる。