功利主義論
『 功利主義論 』
ジョン・スチュアート・ミル
1861
西洋近代哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学", "政治学", "西洋政治学", "西洋近代政治学", "経済学", "西洋経済学", "古典派" ]

テーマ

功利主義について 快楽について

概要

ベンサムの功利主義を受け継ぎ、ベンサムの功利主義が快楽を均質とみなしていた部分を改良させ、功利主義の思想を有用なものに発展させた著書。

目次

内容

ジェレミー・ベンサムが提唱した功利主義の理論をより発展させ新しい功利主義の理論として示したのは本書『功利主義論』であった。ベンサムは道徳や立法の倫理的な基準として功利性を持ち込み、それぞれの行為から得られる快楽の状態を社会全体で計算しようとした。そして社会全体で最大多数の最大幸福が実現できるように行為する規範が示されている。しかしベンサムは快楽の内容をすべて均質なものと見なしていたことから、「豚にふさわしい学説」とまで言われて批判を受けることになった。 ミルはこの批判を踏まえて「満足した豚」よりも「不満足なソクラテス」と表現し、快楽を高級な快楽と低級な快楽とに区別することを本書で試みた。つまり感覚的な快楽よりも知的な快楽はより多くの価値を持っていると見なすことでベンサムの功利主義の問題を解決しようとする。またミルは幸福はそれ自体が目標であると見なし、これを最大化することを追求することもまた望ましいものであることを論証する。
ジョン・スチュアート・ミル
ジョン・スチュアート・ミル
イギリス

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学", "経済学", "西洋経済学", "西洋近代経済学", "古典派", "政治学", "西洋政治学", "西洋近代政治学" ]

著者紹介

イギリスの哲学者。政治哲学者、経済思想家でもあり、政治哲学においては自由主義・リバタリアニズムのみならず社会民主主義の思潮にも多大な影響を与えた。晩年は自ら社会主義者を名乗っている。倫理学においてはベンサムの唱えた功利主義の擁護者として知られる他、論理学分野においてはバートランド・ラッセルら後続の分析哲学にも強い影響を与え、初期科学哲学の重要な哲学者として知られる。