医学典範
『 医学典範 』
イブン・スィーナー
11世紀
医学書

名著の概要

ジャンル

[ "医学", "東洋医学", "医学書" ]

テーマ

医学について

概要

医学者として、イブン・スィーナーはヒポクラテスやガレノスを参考に理論的な医学の体系化を目指し『医学典範』を著した。ヨーロッパにおいて最初に『医学典範』に興味を持ったのはロジャー・ベーコン哲学者であり、やがてフランスやイタリアの医学校で教科書として使用されるようになった。

目次

内容

1巻『概論』 1部 - 医学の概念 2部 - 病気の原因と兆候 3部 - 健康の保持法 4部 - 病気の治療法 2巻『単純薬物』 - 植物・鉱物・動物から成る、811の「単純な」薬物の性質 3巻『頭より足に至る肢体に生じる病気』 - 個々の病とその治療法。身体の器官と部位によって分類されている。 4巻『肢体の一部に限定されない病気』 - 外科と熱病、整形 5巻『合成薬物』 - 様々な薬剤の調合法と用途 2巻、5巻の記述の大半はディオスコリデスの著作を典拠とし、残りの巻の理論はヒポクラテス、ガレノス、アリストテレスの著作に基づいている。 また、イブン・スィーナーは『医学典範』の内容を1,326行の詩の形にしてまとめた『医学詩集』を著した。『医学詩集』もラテン語に訳され、中世ヨーロッパの医学生に愛読された。
イブン・スィーナー
イブン・スィーナー
イスラム

著者の概要

ジャンル

[ "医学", "東洋医学", "医学書" ]

著者紹介

ペルシャの哲学者・医者・科学者。 イスラム世界が生み出した最高の知識人と評価され、同時に当時の世界の大学者である。 「第二のアリストテレス」とも呼ばれ、アリストテレス哲学と新プラトン主義を結合させたことでヨーロッパの医学、哲学に多大な影響を及ぼした。 その生涯は、幸福と苦難が交差する波乱万丈のものだった。 医学者として、イブン・スィーナーはヒポクラテスやガレノスを参考に理論的な医学の体系化を目指し『医学典範』を執筆した。