『 友情について 』
紀元前44年
古代ギリシア・ローマ哲学
名著の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"古代ギリシア・ローマ哲学"
]
テーマ
友情について
概要
別名『ラエリウス』 Laelius。キケロの哲学的対話篇。友情の性質と友情を支配すべき諸原理について論じた友情論の最古典。
目次
内容
キケロの親友だったラエリウスとその2人の義息ファンニウスとスカエウォラの間で行われ,それをキケロが再構成したものということになっている。ラエリウスは小スキピオとの友情を追想しながら,友情の性質と友情を支配すべき諸原理について論じ,結論として,友情が徳に基づき,徳によって守られること,友情の本質的特徴である調和と永続性と忠実性とが徳に由来することを説く。
友情は、お金や権力や名誉などよりも遙かに素晴らしいもの。なぜならお金や権力や名誉等は別の何かの役に立つことで初めて意味を持つものだがが、友情はそれだけで意味のあるものだから。しかし徳と愛に基づいた友情でなければ、結ぶ意味はない。利益や打算に基づいた友情は、必ず破綻する。友達だからといって、なんでも相手の要求を聞けばいいというものではない。くだらない人間とは友情を結ばないことが肝要。アリストテレスの友情論(友愛=フィリア)との比較が課題になるようだ。細かい点で相違があるのは確かだが、友情の本質が「非功利性」にあると見ている点では、相通じるものがある。
キケロ
ローマ
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"古代ギリシア・ローマ哲学",
"政治学",
"西洋政治学",
"西洋古代政治学"
]
著者紹介
共和政ローマ末期の政治家、文筆家、哲学者。ラテン語でギリシア哲学を紹介し、アリストテレスの教えに従う古アカデメイア学派の弁論術・修辞学を評価し、その中で自身が最も真実に近いと考える論証や学説を述べた。その著作は、ルネサンス期にはペトラルカに称賛され、エラスムス、モンテスキュー、カントなどに多大な影響を与えた。