
『 孟子 』
紀元前4世紀
四書
名著の概要
ジャンル
[
"哲学",
"東洋哲学",
"四書",
"中国哲学"
]
テーマ
世界について
人間について
人生について
儒学について
概要
儒教の思想家・哲学者である孟子の逸話・問答の集成である。歴史は紀元前4世紀後半まで遡る。 儒教の古典として位置づけられ、宋朝時代に重んじられた。一般に新儒学の創始者とされる学者の朱熹は、『孟子』を儒教正典の四書に含め、後に『孟子』は新儒学の正典のひとつとなった。
目次
内容
南宋の孝宗の統治時代、朱熹は公式に、すべての学生が学ぶべき経書である四書に『孟子』を含めた。四書は『孟子』『論語』『中庸』『大学』から成る。明朝・清朝まで、『孟子』は科挙試験の題材の一部であった。
性善説
「人の性の善なるは、猶(なお)水の下(ひく)きに就くがごとし」(告子章句上)と述べ、人の性は善であり、どのような聖人も小人もその性は一様であると主張した。また、性が善でありながら人が時として不善を行うことについては、この善なる性が外物によって失われてしまうからだとした。そのため孟子は、「大人(たいじん、大徳の人の意)とは、其の赤子の心を失わざる者なり」(離婁章句下)、「学問の道は他無し、其の放心(放失してしまった心)を求むるのみ」(告子章句上)とも述べている。
仁義
孔子は仁を説いたが、孟子はこれを発展させて仁義を説いた。仁とは「忠恕」(真心と思いやり)であり、「義とは宜なり」(『中庸』)というように、義とは事物に適切であることをいう。
王覇
孟子は古今の君主を「王者」と「覇者」とに、そして政道を「王道」と「覇道」とに弁別し、前者が後者よりも優れていると説いた。

孟子
中国
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"東洋哲学",
"四書",
"中国哲学"
]
著者紹介
中国戦国時代の儒学者、思想家。
孔子の教えを受け継ぎ儒教では孔子に次いで重要な人物であり、そのため儒教は別名「孔孟の教え」とも呼ばれる。
あるいはその言行をまとめた書『孟子』(もうし)。性善説を主張し、仁義による王道政治を目指した。