宗教生活の原初形態
『 宗教生活の原初形態 』
デュルケム
1912
宗教論

名著の概要

ジャンル

[ "宗教学", "西洋宗教学", "宗教論", "哲学", "西洋哲学", "西洋現代哲学" ]

テーマ

宗教とは何か

概要

宗教とは,社会における「聖」と「俗」の集団表象であり,社会そのものに根ざす力である.デュルケムは,オーストラリア原住民のトーテミズムを考察の対象としてとりあげ,宗教の社会的起源・機能を解明してゆく.宗教現象の研究に社会学的方法の規準を適用して科学的基礎を与えた名著.

目次

内容

「オーストラリアのトーテム体系」と副題されるように、未開の単純な形態の宗教にさかのぼり、宗教現象の特質、宗教と社会生活の関係、認識や思惟(しい)など精神生活とのかかわりの解明を試みた宗教社会学上の古典。 「宗教」をもって世界の諸事物を「聖」と「俗」の二つの領域に分かつ信仰と儀礼の体系と規定し、この「聖」の表象を生み出す沸騰的な集合生活の状態を考察し、宗教というものが本質的に社会生活の所産であることを強調した。
デュルケム
デュルケム
フランス

著者の概要

ジャンル

[ "社会学", "西洋社会学", "哲学", "西洋哲学", "西洋現代社会学", "西洋現代哲学", "宗教学", "西洋宗教学", "宗教論" ]

著者紹介

フランスの社会学者。 オーギュスト・コント後に登場した代表的な総合社会学の提唱者であり、その学問的立場は、方法論的集団主義と呼ばれる。また社会学の他、教育学、哲学などの分野でも活躍した。 当時としては斬新な独自の視点から社会現象を分析し、経験科学としての社会学の立場(社会学主義)を鮮明に打ち出した人物である。実証主義の科学としてオーギュスト・コントによって創始された社会学が、未だに学問として確立されていない状況を見たデュルケームは、他の学問にはない独自の対象を扱う独立した科学としての地位を築くために尽力した。 社会学を「道徳科学」と位置づけ、諸個人の統合を促す社会的要因としての道徳(規範)の役割を解明することであると考えた。社会学の分析対象は「社会的事実」であることを明示した。 「社会的事実」とは、個人の外にあって個人の行動や考え方を拘束する、集団あるいは全体社会に共有された行動・思考の様式のことであり、「集合表象」(直訳だと集合意識)とも呼ばれている。つまり人間の行動や思考は、個人を超越した集団や社会のしきたり、慣習などによって支配されるということである。