
『 実存主義とは何か 』
1946
西洋現代哲学
名著の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学"
]
テーマ
存在とは何か
人間とは何か
自由とは何か
実存主義
概要
『存在と無』によって立ち上げた実存主義についての講演「実存主義とは何か」は、その後世界中で著作として出版され、戦後を代表する思想として広まっていた。 哲学書『存在と無』が、より平易に語られた内容。
目次
内容
「人間の本質はあらかじめ決められておらず、実存(現実に存在すること)が先行した存在である。だからこそ、人間は自ら世界を意味づけ行為を選び取り、自分自身で意味を生み出さなければならない」と高らかに宣言した講演「実存主義とは何か」は、その後世界中で著作として出版され、戦後を代表する思想として広まっていた。
そこでは、サルトルは即自と対自という対概念を導入する。これは物事のあり方と人間のあり方に分けて対比させたもので、即自である物事とは、「それがあるところのもの」であるとした。これは物事が、常にそれ自身に対して自己同一的なあり方をしていることを意味し、このようなあり方を即自存在という。
それに対して、対自である人間とは、「それがあるところのものであらず、それがあらぬところのものであるもの」とした。つまり、AはAであるといわれるのは即自存在においてのみであって、対自においてはAはAであった、としか言われえないということ。対自は仮に存在といわれたとしてもそれ自身は無である。
これは人間があらかじめ本質を持っていないということを意味する。このことについてサルトルは「人間とは、彼が自ら創りあげるものに他ならない」と主張し、人間は自分の本質を自ら創りあげることが義務づけられているとした。
人間は自分の本質を自ら創りあげることができるということは、例えば、自分がどのようにありたいのか、またどのようにあるべきかを思い描き、目標や未来像を描いて実現に向けて行動する「自由」を持っていることになる。ここでのサルトルのいう自由とは、自らが思い至って行った行動のすべてにおいて、人類全体をも巻き込むものであり、自分自身に全責任が跳ね返ってくることを覚悟しなければならないものである。このようなあり方における実存が自由であり、対自として「人間は自由という刑に処せられている」という。

サルトル
フランス
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学"
]
著者紹介
フランスの哲学者、小説家、劇作家。
サルトルの思想は実存主義によるもので、今まさに生きている自分自身の存在である実存を中心とするものである。
特にサルトルの実存主義は無神論的実存主義と呼ばれ、自身の講演「実存主義はヒューマニズムであるか」(のちに出版される『実存主義とは何か』のもととなった講演)において、「実存は本質に先立つ」と主張し、『存在と無』では「人間は自由という刑に処せられている」と論じる。