『 家族、私有財産および国家の起源 』
1884
西洋近代哲学
名著の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学"
]
テーマ
国家について
家族について
奴隷について
財産について
概要
老年期における最高傑作のひとつである。エンゲルスは、国家や一夫一婦制、私有財産や奴隷制度、賃労働を自明のものとする歴史観にたいして、それらが歴史的なもの、すなわちある条件のなかで生成し、またその条件の解消にともなって消滅(変化)するにすぎないと主張した。
目次
第1章 - 先史の文化諸段階
第2章 - 家族
第3章 - イロクォイ族の氏族
第4章 - ギリシアの氏族
第5章 - アテナイ国家の成立
第6章 - ローマの氏族と国家
第7章 - ケルト人とドイツ人の氏族
第8章 - ドイツ人の国家の形成
第9章 - 未開時代と文明時代
内容
国家の発生についての理論的総括がおこなわれ、文明が金属貨幣と利子、商人、私的土地所有と抵当、奴隷制度を発明して、最終的に人類は奴隷の反乱を防止して階級闘争が内乱へと発展する革命的契機を回避する調停機関として国家を創造したと指摘した。
そして、社会主義革命によって生産手段が共同所有に移管されることによって、資本主義経済のもとで奴隷化されていた労働者階級の自立が進み、搾取階級に対する搾取によって全人民が平等な社会が成立すると階級闘争が終わりを告げ、階級支配の維持という役目を終えた国家は廃止されるとされた。
つまり、国家や一夫一婦制、私有財産や奴隷制度、賃労働を自明のものとする歴史観にたいして、それらが歴史的なもの、すなわちある条件のなかで生成し、またその条件の解消にともなって消滅(変化)するにすぎないと主張し、国家もまた消滅するとした。
エンゲルス
ドイツ
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋近代哲学"
]
著者紹介
ドイツの社会思想家、政治思想家、ジャーナリスト、実業家、共産主義者、軍事評論家、革命家、国際的な労働運動の指導者。
盟友であるカール・マルクスと協力して科学的社会主義の世界観を構築し、労働者階級の歴史的使命を明らかにした。マルクスを公私にわたり支え、世界の労働運動、革命運動、共産主義運動の発展に指導的な役割を果たした。