寛容論
『 寛容論 』
ヴォルテール
1763
西洋近代哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学" ]

テーマ

寛容について

概要

18世紀半ばフランスで実際に起きた「カラス事件」という冤罪事件に対して、理神論を基盤に、宗教的寛容を中心とし宗教や国境、民族や身分などの違いを超え、多様性と寛容を尊んだ名著。

目次

内容

『寛容論』は、 18世紀半ばフランスで実際に起きた「カラス事件」という冤罪事件から始まります。プロテスタントの一家・カラス家の長男が自殺。しかし狂信的カトリシズムに毒された町の人々は、これを改宗を許さなかった父親による殺人だと信じ込み、家族を激しく糾弾します。ヴォルテールは四散した家族を援助し、宗教的寛容を訴える文章を次々と発表、やがて再審無罪を勝ち取ります。 宗教や国境、民族や身分などの違いを超え、多様性と寛容を尊んだヴォルテール。カトリック教会の男子修道会であるイエズス会の名門校で教育を受けながらも、彼は理性によって大自然・大宇宙の創造主である神を感得する「理神論」の立場をとります。 「寛容とは何であるか。それは人類の持ち分である。われわれはすべて弱さと過ちからつくりあげられているのだ。われわれの愚行をたがいに許しあおう、これが自然の第一の掟である。…(中略)…われわれがたがいに赦しあるべきことのほうがいっそう明らかである。なぜならば、われわれはみな脆弱で無定見であり、不安定と誤謬に陥りやすいからである」
ヴォルテール
ヴォルテール
フランス

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学" ]

著者紹介

本名フランソワ=マリー・アルエは、フランスの哲学者、文学者、歴史家である。歴史的には、イギリスの哲学者であるジョン・ロックなどとともに啓蒙主義を代表する人物とされる。ヴォルテールの思想は啓蒙思想の典型である。彼は、人間の理性を信頼し、自由を信奉した。