『 心理学の原理 』
1890
近代心理学
名著の概要
ジャンル
[
"心理学",
"西洋心理学",
"近代心理学"
]
テーマ
習慣について
意識について
概要
心理学を個別的な自己を問題とする学問であると捉え、感情一般や思考一般を抽象的な概念として論考するのではないと考えた。人間にとって心理学の関心は普遍的な原理を知ることではなく、自身の心理を理解するためであると述べている。そして人間が自己と他者に世界を分断して認識しており、自己以外の他者を認識し続ける生理的実感を心理として把握している
目次
内容
生物一般の活動には習慣の存在が認められると指摘する。ジェームズは生理学的観点から習慣を神経系における一定の経路が連続的に活性化することだと定義し、これには習慣性を伴っていると論じた。
しかしながら、人間には他の生物と異なる重要な差異があり、それは多様な欲望を持つということである。したがって人間は動物にはない意識によって習慣を形成することを余儀なくされる。
欲望を達成するために意識的に行動することによって脳は発達していく。
つまり行動を習慣化することの意義は人格形成にまで及ぶものと考えることができる。
ウィリアム・ジェームズ
アメリカ
著者の概要
ジャンル
[
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学",
"心理学",
"西洋心理学",
"近代心理学",
"宗教学",
"西洋宗教学",
"宗教論"
]
著者紹介
アメリカ合衆国の哲学者、心理学者である。意識の流れの理論を提唱し、ジェイムズ・ジョイス『ユリシーズ』など、アメリカ文学にも影響を与えた。パースやデューイと並ぶプラグマティストの代表として知られている。
日本の哲学者、西田幾多郎の「純粋経験論」に示唆を与えるなど、日本の近代哲学の発展にも少なからぬ影響を及ぼした。夏目漱石も、影響を受けていることが知られている。後の認知心理学における記憶の理論、トランスパーソナル心理学に通じる『宗教的経験の諸相』など、様々な影響をもたらしている。