情念論
『 情念論 』
デカルト
1649
西洋近代哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学" ]

テーマ

情念について 精神について 知覚・感覚・感動について

概要

デカルトは本書で精神の知覚や感覚、感動、すなわち情念を主題として研究を行っている。本書の内容は人間本性と情念の基本について論じた第1部、多種多様な情念を論じる第2部、特殊な情念について論じる第3部から成り立っている。

目次

内容

カルトは本書で精神の知覚や感覚、感動、すなわち情念を主題として研究を行っている。本書の内容は人間本性と情念の基本について論じた第1部、多種多様な情念を論じる第2部、特殊な情念について論じる第3部から成り立っている。 デカルトにとって精神の経験には精神が新しい経験を獲得する場合の受動と精神が経験の原因となっている場合の能動の二種類があり、精神の能動・受動性は身体の能動・受動性と逆になるように相互に作用する。前者は知覚または認識であり、後者は意志のはたらきであるとデカルトは見なしている。 そして人間の情念とは動物精気が運動することによってもたらされ、動物精気が血中を通じて脳に到達することで情念が表れると論じる。特にデカルトは情念の原因が脳の中央に位置する松果腺にあると考え、身体運動の原因でもあると考えていた。 デカルトはさまざまな種類の情念を検討しているが、まず基本的な情念として愛、憎しみ、欲望、喜び、悲しみ、驚きの六つがあり、これらが複合化することによって情念は複雑化していく。情念の働きを抑制するためにデカルトは謙遜、勇気などの徳を守ることを主張しており、知恵とは情念を支配する意義があると分析している。
デカルト
デカルト
フランス

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学" ]

著者紹介

フランス生まれの哲学者、数学者。合理主義哲学の祖であり、近代哲学の祖として知られる。考える主体としての自己(精神)とその存在を定式化した「我思う、ゆえに我あり」は哲学史上でもっとも有名な命題の1つである。そしてこの命題は、当時の保守的思想であったスコラ哲学の教えであるところの「信仰」による真理の獲得ではなく、人間の持つ「自然の光(理性)」を用いて真理を探求していこうとする近代哲学の出発点を簡潔に表現している。デカルトが「近代哲学の父」と称される所以。