『 戦史 』
紀元前5世紀
ギリシア歴史学
名著の概要
ジャンル
[
"歴史学",
"西洋歴史学",
"ギリシア歴史学",
"西洋古代・中世歴史学"
]
テーマ
アテナイの歴史
ペロポネス戦争の歴史
概要
アテナイの興隆と衰退、ペロポネソス戦争(紀元前431年–紀元前404年)の経過を記録した本書は全8巻からなる。本書は客観的かつ実証的な叙述で知られ、物語的叙述であるヘロドトスの『歴史』(ヒストリア)と対比されることが多い。また、本書の随所に現れる政治家や将軍たちの演説もその大きな特徴のひとつである。
目次
内容
トゥキディデスは、ペロポネソス戦争がギリシア世界を揺るがす大戦に発展すると考え、その記録を残す事によって後世の人々が似たような事態に直面したときに、この記録(故に戦史と称された)を教訓としてうまく活かせるようとの意図で執筆したと、序言で述べている。
またアテナイで発生した疫病の状況や、負傷した兵士が知人の顔を認識できなくなる症状(相貌失認)など関連する事象も多数記録されている。
トゥキディデス
ギリシア
著者の概要
ジャンル
[
"歴史学",
"西洋歴史学",
"ギリシア歴史学",
"西洋古代・中世歴史学"
]
著者紹介
古代アテナイの歴史家。
代表作はペロポネソス戦争を実証的な立場から著した『戦史(ペロポネソス戦争の歴史)』である。
トゥキディデスはこの戦争に将軍として一時参加したが、紀元前422年のトラキア・アンフィポリス近郊での失敗により失脚、20年の追放刑に処された。このためスパルタの支配地にも逗留したことがあり、この時の経験によって双方を客観的に観察することができたとも言える。
またトゥキディデスの罠などの概念を生み出したと伝えられる。