『 整数論の研究 』
1801
数学
名著の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"数学"
]
テーマ
数論
概要
カール・フリードリヒ・ガウス唯一の著書にして、後年の数論の研究に多大な影響を与えた書物である。1801年、ガウス24歳のときに公刊された。その研究の端緒はガウス17歳の1795年にまでさかのぼり、1797年にはほぼ原稿は完成していた。
目次
内容
第1章: 数の合同に関する一般的な事柄(第1条 - 12条)
第2章: 一次合同式(第13条 - 44条)
第3章: 冪剰余(第45条 - 93条)
第4章: 二次合同式(第94条 - 152条)
第5章: 二次形式と二次不定方程式(第153条 - 307条)
第6章: これまでの研究のさまざまな応用(第308条 - 334条)
第7章: 円の分割を定める方程式(第335条 - 366条)
第1章から第3章は、ガウス以前の研究をまとめたものであり、フェルマーの小定理(第3章第50条)、ウィルソンの定理(第3章第76条)、素数を法とした原始根の存在定理(第3章第54条、55条)などの内容を含む。ここにガウス自身の研究成果は少ないが、これらを系統的に論じたことには価値がある。
算術の基本定理、すなわち整数が一意に素因数分解されるという性質の重要性に初めて気付いたのはガウスであり、第2章第16条で証明が与えられている。第2章第42条では、多項式に関するガウスの補題(英語版)が証明されている。この補題は第7章で用いられる。
第4章より先は、ガウス自身の研究成果を多く含む。第4章の中心的な話題は平方剰余の相互法則である。
第5章は半分以上のページを占めており、二変数二次形式について幅広く議論している。
第6章では、様々な応用について論じており、例えば素数判定および素因数分解の方法を2通り与えている。
最後の第7章は、円周の等分に関する理論であり、1の冪根や円分多項式について議論している。
特に、正多角形が定規とコンパスによる作図で構成可能であるための条件を与えている。
ガウス
ドイツ
著者の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"数学"
]
著者紹介
ドイツの数学者、天文学者、物理学者である。
彼の研究は広範囲に及んでおり、特に近代数学のほとんどの分野に影響を与えたと考えられている。
数学の各分野、さらには電磁気など物理学にも、彼の名が付いた法則、手法等が数多く存在する。
19世紀最大の数学者の一人であり、18世紀のレオンハルト・オイラーと並んで数学界の二大巨人の一人と呼ばれることもある。