『 新天文学 』
1609
天文学
名著の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"天文学"
]
テーマ
地動説
ケプラーの法則
概要
天体の運行法則に関する「ケプラーの法則」を唱えたことでよく知られている。理論的に天体の運動を解明したという点において、天体物理学者の先駆的著作。
目次
内容
ケプラーは、惑星の運動を歪んだ円もしくは楕円であるとした(ケプラーの第一法則)。ティコによって火星観測の正確なデータが残されていて、(現代人は知っている)実際の地球の軌道は完全な円にかなり近いが火星の軌道は楕円であったので、それが第一法則発見へとつながるデータとして役立った。
それまでの理論「惑星の軌道は完全な円」を捨て、仮に「惑星の軌道は楕円」と仮定してみたところ、ティコの観測した結果を説明できることが分かり、後にケプラーの法則とされたのである。この法則に基づいてケプラーが作成した『ルドルフ星表』は『プロイセン星表』の30倍の精度を持ち、ようやく太陽中心説(地動説)は、従来の地球中心説(天動説)よりも単純かつ高精度のものとなり、説得力が増したのであった。
ケプラーの法則は「距離の二乗に反比例する力によって惑星が太陽に引かれている」と示唆する。ケプラーはそのことに気付いており、「太陽と惑星の間に、磁力のような力が存在する」と述べた。その力は、後にアイザック・ニュートンによって「万有引力」であるとされた。
ケプラー
ドイツ
著者の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"天文学"
]
著者紹介
ドイツの天文学者。
天体の運行法則に関する「ケプラーの法則」を唱えたことでよく知られている。理論的に天体の運動を解明したという点において、天体物理学者の先駆的存在だといえる。
また数学者、自然哲学者、占星術師という顔ももつ。
ケプラーの自然哲学の中心は惑星論にある。ケプラーは「数が宇宙の秩序の中心である」とする点や天体音楽論(英語版)を唱える点で自然哲学におけるピタゴラス的伝統の忠実な擁護者であった。その反面、ニコラウス・コペルニクスやティコ・ブラーエ、ガリレオ・ガリレイも脱却できなかった円運動に基づく天体論から、楕円運動を基本とする天体論を唱え、近世自然哲学を刷新した。
現代の科学者にとってのケプラーの大きな功績は、数学的なモデルを提出するという方法の先駆者となったことである。(彼の提出した具体的なモデルは現代人から見れば誤っている面もあるが、ともかくも)数学的なモデルを構築し提示する、という方法はガリレオ・ガリレイ、アイザック・ニュートンを経て古典物理学の成立へとつながっていった。