日本外史
『 日本外史 』
頼山陽
1827
日本歴史書

名著の概要

ジャンル

[ "歴史学", "東洋歴史学", "日本歴史学", "日本歴史書" ]

テーマ

武家の歴史

概要

源平2氏から徳川氏までの武家盛衰史で、すべて漢文体で記述されている。文政10年(1827年)、山陽と交流があった元老中首座の松平定信に献上され、2年後に大坂の秋田屋など3書店共同で全22巻が刊行された。明治以後、日本語口語体に訳された本も数社から刊行されている。幕末から明治にかけてもっとも多く読まれた歴史書である。

目次

内容

平安時代末期の源氏・平氏の争いから始まり、北条氏・楠氏・新田氏・足利氏・毛利氏・後北条氏・武田氏・上杉氏・織田氏・豊臣氏・徳川氏までの諸氏の歴史を、武家の興亡を中心に家系ごとに分割されて(列伝体)書かれている。 独特の史観とダイナミックな表現で幕末の尊皇攘夷運動に与えた影響は甚大であった。
頼山陽
頼山陽
日本

著者の概要

ジャンル

[ "歴史学", "東洋歴史学", "日本歴史学", "日本歴史書" ]

著者紹介

江戸時代後期の歴史家、思想家、漢詩人、文人。 主著に『日本外史』があり、これは幕末の尊皇攘夷運動に影響を与え、日本史上のベストセラーとなった。 司馬遷の『史記』は「十二本紀・十表・八書・三十世家・七十列伝」の全百三十巻から成るが、頼山陽はこれを模倣して「三紀・五書・九議・十三世家・二十三策」の著述構想を立てている。『史記』にあっては真骨頂というべき「列伝」に該当するものがないが前記の十三世家にあたる『日本外史』(全二十二巻)が列伝体で叙せられ、『史記』の「列伝」を兼ねたものと見ることもできる。 『日本外史』は武家の時代史であるが、簡明な叙述であり、情熱的な文章であった為に広く愛読されたが、参考史料として軍記物語なども用いているため、歴史的事実に忠実であるとは言いがたい記事も散見する。言い換えれば、史伝小説の源流の一つとも言い得る。ただし簡明であるがゆえに巷間で広く読まれ、幕末・明治維新から、昭和戦前期まで、広く影響を与えた。