『 昆虫記 』
1907
生物学
名著の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"生物学"
]
テーマ
昆虫について
概要
内容は、彼が若いときから手がけたさまざまな昆虫の習性、およびそれを知るための彼の行った研究について記した物である。ただし研究論文のような体裁はとらず、読み物的な語り口と、擬人化した表現が多い。
目次
内容
昆虫記の内容は、主としてさまざまな昆虫の生態観察とその結果である。非常に広範囲の昆虫が扱われ、他にサソリやクモなど昆虫でないものについても少数ながら取り上げている。
特にハチ類と糞虫に関するものが多い。これは彼の興味の中心であり、特に複雑で興味深い行動が見られたためであろう。
しかしそれほど複雑な習性を持たない昆虫にも多く触れており、特に後半はそれが増えているのは、対象として扱って面白い昆虫が身の回りからいなくなったためとも言われる。
また、昆虫に関係しつつもそれを主題としない章、たとえば回想や進化論批判を取り上げた章もある。
ファーブル
フランス
著者の概要
ジャンル
[
"科学",
"西洋科学",
"生物学"
]
著者紹介
フランスの博物学者であり、また教科書作家、学校教師、詩人としても業績を遺した。
昆虫の行動研究の先駆者であり、研究成果をまとめた『昆虫記』で有名である。
同時に作曲活動をし、プロヴァンス語文芸復興の詩人としても知られる。
ファーブルが生きていた当時、代表作である「昆虫記」がノーベル文学賞の候補に上がるなど文学者としては評価されていたが、博物学者としての彼の業績は祖国フランスではあまり理解されなかったが、ファーブルの開拓した行動学的研究は、その後フランスよりもカール・フォン・フリッシュやコンラート・ローレンツのようなドイツ語圏、あるいはニコ・ティンバーゲンのようなオランダ語圏の研究者に継承されて発展を遂げることになった。また、古くからの昆虫愛好文化をもつ日本でも読まれ、昆虫学の普及に役立った。
その他、細菌学者のルイ・パスツールが、カイコの病気を研究するために昆虫の基礎知識を得ようとファーブルを訪れている。