『 景気循環の理論 』
1912
オーストリア学派
名著の概要
ジャンル
[
"経済学",
"西洋経済学",
"西洋現代経済学",
"オーストリア学派"
]
テーマ
景気循環
イノベーション
概要
景気の回転という景気循環説を述べている。つまり、イノベーションが繰り返されなければ景気が停滞してしまうとする。経済発展の理論をさらに拡張し、景気循環の過程がより緻密に考察されている。
目次
内容
シュンペーターによれば、起業者が銀行からの借入を受けてイノベーションを実行すると、経済は撹乱される。そして、その不均衡の拡大こそが、好況の過程である。
そして、イノベーションがもたらした新しい状況では、独占利潤を手にした先行企業に対して、後続企業がそれに追従することで、信用収縮(銀行への返済)が起こり、それによって徐々に経済が均衡化していくことで、不況になるとした。
これに対して、さらに新しいイノベーションが起こることで、上記と同じ現象が発生する。
この景気の回転が景気循環であるとした。
シュンペーター
オーストリア
著者の概要
ジャンル
[
"政治学",
"西洋政治学",
"西洋現代政治学",
"経済学",
"西洋経済学",
"西洋現代経済学",
"オーストリア学派",
"社会学",
"西洋社会学",
"西洋現代社会学"
]
著者紹介
オーストリア・ハンガリー帝国(後のチェコ)モラヴィア生まれの経済学者である。企業者の行う不断のイノベーション(革新)が経済を変動させるという理論を構築した。また、経済成長の創案者でもある。
イノベーションは、シュンペーターの理論の中心概念である。ちなみに、シュンペーターは、初期の著書『経済発展の理論』ではイノベーションではなく「新結合」という言葉を使っている。
イノベーションとして以下の5つの類型を提示した。
新しい財貨の生産
新しい生産方法の導入
新しい販売先の開拓
原料あるいは半製品の新しい供給源の獲得
新しい組織の実現(独占の形成やその打破
イノベーションの実行者を「企業者(entrepreneur)」と呼ぶ。この意味における企業者とは、一定のルーチンをこなすだけの経営管理者(土地や労働を結合する)ではなく、まったく新しい組み合わせで生産要素を結合し、新たなビジネスを創造する者である。