東京人の堕落時代
『 東京人の堕落時代 』
夢野久作
1925
日本現代社会学

名著の概要

ジャンル

[ "社会学", "東洋社会学", "日本社会学", "哲学", "東洋哲学", "日本現代哲学" ]

テーマ

社会の堕落

概要

田舎の人々が東京へ集まる傾向が強まり、世間が世智辛くなっていった。日本の教育は忠孝仁義を説きながら、実は物質万能、智識万能を教えており、日本の若者はことごとく物質万能主義者となっている。」「上流社会が平民的になってきて、風紀頽廃していった」と述べ、当時の社会の堕落について述べたエッセイ。

目次

内容

田舎の人々が東京へ集まる傾向が強まり、世間が世智辛くなっていった。日本の教育は忠孝仁義を説きながら、実は物質万能、智識万能を教えており、日本の若者はことごとく物質万能主義者となっている。」「上流社会が平民的になってきて、風紀頽廃していった」と述べている。 また、「無産階級の人々が目標とし、規準とする生活が、東京人の生活と同様の意味の文化生活を夢見るものであったならば、それ等の人々の覚醒と運動とは、将来に於て無価値のものとなり終るべき可能性を、充分に持っていはしまいかと疑い得られる」として都会人による社会主義にも警告を発している。 ほか、「農民文化が尊重される傾向が出来つつある」「新たに天下を取る者は常に田舎者である」「今日の如く、東京を憧憬する人々、東京の文化を本当の文化と信ずる人々が無暗に殖えて行ったならば、今に日本人全体が東京人のようになってしまいはしまいか」として地方の人々による警鐘が必要ではないかとした。
夢野久作
夢野久作
日本

著者の概要

ジャンル

[ "社会学", "東洋社会学", "日本社会学", "哲学", "東洋哲学", "日本哲学", "日本現代哲学", "文学", "日本文学", "日本近代文学", "近代東洋文学", "近代文学" ]

著者紹介

日本の禅僧、陸軍少尉、郵便局長、小説家、詩人、SF作家、探偵小説家、幻想文学作家。 日本探偵小説三大奇書の一つに数えられる畢生の奇書『ドグラ・マグラ』をはじめ、怪奇色と幻想性の色濃い作風で名高い。またホラー的な作品もある。詩や短歌にも長け、同時代の他の作家とは一線を画す作家である。