武教全書
『 武教全書 』
山鹿素行
1664
古学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "東洋哲学", "日本哲学", "日本近世哲学", "古学", "歴史学", "東洋歴史学", "日本歴史学", "兵法書" ]

テーマ

兵法について 武士について 人間について 武士道について

概要

素行の兵学は近世のそれが軍法(戦技,戦術)から士法(武士のあり方)へと重点を移してきたのにそって,儒学を基礎として〈士〉としてのあり方を中心に説かれ,みずから武教と称した。

目次

内容

林羅山に入門して漢学教育を受けた山鹿素行は、仏教、道教の思想にも通じ、神道和学の故実を踏まえて甲州流軍学の小幡景憲、北条流の祖・北条氏長の門下として軍学の修得をした。山鹿流兵法の始まりとなったのが本著。 本著は、単に戦法学というより、太平の時代に士道学としての広い構想の下に構築された兵法。事理一体を基盤とし、道源・学問・力行の三要を力説し、「修教要録」「治教要録」に則って、修身、治国の大道を強調、武経兵法、兵法戦法論を研究しながら、実学・教学に重点を置いた士道教育を行う基盤となった。
山鹿素行
山鹿素行
日本

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "東洋哲学", "日本哲学", "日本近世哲学", "古学", "歴史学", "東洋歴史学", "日本歴史学", "日本歴史書", "兵法書" ]

著者紹介

江戸時代前期の日本の儒学者、軍学者。山鹿流兵法及び古学派の祖である。 9歳のとき大学頭を務めていた林羅山の門下に入り朱子学を学び、15歳からは小幡景憲、北条氏長の下で甲州流の軍学を、廣田坦斎らに神道を、それ以外にも歌学など様々な学問を学んだ。 35歳ごろには山鹿流兵学が完成し,《武教本論》《武教全書》を著した。山鹿流兵学は、従来の戦法によった兵学・軍学から、士道学としての広い構想の下に構築された兵法で、後の士道教育の牙となった。 また、40歳を過ぎるころから,当時の儒学の主流であった朱子学に疑問をもつようになり,65年(寛文5)には《聖教要録》を著して朱子学を批判し、独自の解釈により古学を創始した。 古学とは、朱子を通してでなく古代の聖賢の教えにかえることを主張した学問であり、古典的名著から直接学ぶことを重視した。