『 歴史とは何か 』
1962
西洋現代歴史学
名著の概要
ジャンル
[
"歴史学",
"西洋歴史学",
"西洋現代歴史学",
"西洋近現代歴史学"
]
テーマ
歴史とは何か
概要
本書は、21世紀の現在でも歴史学における基本的なテキストの一つとして用いられている名著で、歴史は主観的なものでありそれをきちんと捉えて分析することを説いた。
目次
内容
カーは「客観性」のみで歴史を記述しようと試みた近代歴史学を否定した。特に、「進化としての歴史」を主張するJ.アクトンが名を挙げて批判されている。
また、歴史の記述の中には著者による歴史観や経験にもとづいた「主観性」が入り込んでおり、その主観性が入り込んでいることを歴史家は慎重に受け止め、それとともに、その主観性がどこに含まれているのか(つまり著者がどのような歴史観や考え方をしているのか)を見極めなければならないとする現代歴史学の立場を表明した。
エドワード・ハレット・カー
イギリス
著者の概要
ジャンル
[
"歴史学",
"西洋歴史学",
"西洋現代歴史学",
"政治学",
"西洋政治学",
"西洋現代政治学",
"西洋近現代歴史学"
]
著者紹介
イギリスの歴史家、政治学者、外交官。
1939年に刊行した『危機の二十年』は、法律的・道義的アプローチが支配的であった国際関係論においてパワーの重要性を強調する現実主義(リアリズム)の立場を説いた本として知られる。しかし同時に、反リアリズム的主張もまた同書に存在しており、本書の多様な側面を指摘する研究者もいる。
また、『歴史とは何か』で彼が述べた「歴史とは現在と過去との絶え間ない対話である("An unending dialogue between the present and the past.")」というフレーズは、日本の戦後歴史学界でもよく知られ、引用頻度が高い。