歴史哲学講義
『 歴史哲学講義 』
ヘーゲル
1838
西洋近代哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "歴史学", "西洋哲学", "西洋近代哲学", "西洋歴史学", "西洋近現代歴史学" ]

テーマ

歴史とは何か 哲学と歴史について

概要

哲学をもとに人類史を思想的な考察を踏まえたヘーゲルの歴史観が描かれている。ヘーゲルの歴史哲学は、歴史を人類が理性によって現状を克服し、精神の自由を実現させていく過程だと見る進歩主義の歴史観である。

目次

序論 A 歴史のとらえかた (a)事実そのままの歴史 (b)反省をくわえた歴史 (c)哲学的な歴史 B 歴史における理性とはなにか (a)精神の抽象的定義 (b)自由を実現する手段 (c)自由の実現体たる国家 C 世界史のあゆみ (a)発展の原理 (b)歴史のはじまり (c)世界史のすすみかた D 世界史の地理的基礎 (a)新世界 (b)地理的条件 (c)旧世界 E 世界史の時代区分 東洋世界 [1]中国 [2]インド [3]ペルシア ギリシア世界 [1]ギリシア精神の諸要素 [2]美しき個人の形成 [3]外交の時代 ローマ世界 [1]第二回ポエニ戦争以前のローマ [2]第二回ポエニ戦争から帝制成立までのローマ [3]帝制の時代 ゲルマン世界 [1]キリスト教=ゲルマン世界の諸要素 [2]中世 [3]近代

内容

哲学をもとに人類史を思想的な考察を踏まえたヘーゲルの歴史観が描かれている。ヘーゲルの歴史哲学は、歴史を人類が理性によって現状を克服し、精神の自由を実現させていく過程だと見る進歩主義の歴史観である。 ヘーゲルは歴史考察のパターンを三つに分類する。事実そのままを同時代的に記録した「初歩的歴史」と、個人や民族、宗教など個別的な事柄を対象にしつつ、歴史から何かの意味や教訓を引き出そうとする「反省的歴史」、そして世界史そのものを大づかみに把握して、歴史を動かした指導原理や駆動力を見出して、思弁的に考察して思想によって整合化させつつ、全体史的に普遍的な原理に再構築した「哲学的歴史」とに分類した。ヘーゲルは自身の歴史認識は「哲学的歴史」に属していると位置付けている。
ヘーゲル
ヘーゲル
ドイツ

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋近代哲学", "歴史学", "西洋歴史学", "政治学", "西洋政治学", "西洋近代政治学", "芸術学", "西洋芸術学", "美学", "西洋近現代歴史学" ]

著者紹介

ドイツの哲学者でドイツ観念論を代表する思想家である。 ヘーゲルは、古典に通じた慧眼で現実的かつ理想的な哲学を展開し、同時代のみならず後世にも大きな影響を与えた。 ヘーゲルは、元来、問答・対話の術を意味する弁証法について、思考及び存在の発展論理として積極的な意味付けを行ない大成化した。 それは、世界の本質は矛盾を内在させつつも、それを克服しようとして自己運動する躍動的生命とされることで、これまでの静止的な世界観はヘーゲル弁証法によって力動的なものに変えられていくというもの。世界は弁証法的運動過程、すなわち、諸要素の矛盾や対立を抱えながら、これを発展・解消させていく自己発展であると捉えられ、「精神」が理念としてみずからの自己実現を図る、精神の自己啓示に向けての運動過程、理念の歴史的な実現のプロセスとされるようになったのである。