死と愛
『 死と愛 』
フランクル
1946
西洋現代心理学

名著の概要

ジャンル

[ "心理学", "西洋心理学", "西洋現代心理学", "現代心理学" ]

テーマ

実存分析について

概要

実存分析を創始しロゴセラピーを構築したフランクルの心理学をまとめた入門書。

目次

内容

フロイトの精神分析やアドラーの個人心理学による心理療法は、苦悩しながら人生の意味を求めようとする患者に対応できるのか、そのためには「精神的なものからの心理療法」が必要ではないか。若い頃からフランクルはこのように考え、「ロゴセラピー」と名づけた独自の療法を生み出そうとしていた。 この構想は、強制収容所体験をへて鍛えられ、解放後の1946年に刊行された本書『死と愛』となって結実する。 そして、本書で描かれた「強制収容所の心理」の部分をもとに一気に口述筆記されたのが、『夜と霧』である。 人生の意味、苦悩の意味、労働の意味、愛の意味などについて語りながら、人間がもちうる態度価値の重要性を訴え、医師として、宗教者にも似た、人の魂への働きかけの大切さと方法を説いた本書は、著者の仕事の出発点であり、終着点でもあった。 第一章 心理療法からロゴセラピーへ 第二章 精神分析から実存分析へ   第一節 一般的実存分析   一 人生の意味     死の意味     強制収容所の心理   二 苦悩の意味   三 労働の意味   四 愛の意味   第二節 特殊実存分析   (a) 不安神経症の心理   (b) 強迫神経症の心理   (c) 鬱病の心理   (d) 統合失調症の心理 第三章 心理的告白から医師による魂の癒しへ
フランクル
フランクル
オーストリア

著者の概要

ジャンル

[ "心理学", "西洋心理学", "西洋現代心理学", "現代心理学" ]

著者紹介

オーストリアの精神科医、心理学者。 著作は多数あり日本語訳も多く重版されており、代表作は『夜と霧』である。 ナチス強制収容所での体験を元に著した『夜と霧』は、日本語を含め17カ国語に翻訳され、60年以上にわたって読み継がれている。 また、ロゴセラピーを創始した。これは、ジークムント・フロイトの「精神分析」やアルフレッド・アドラーの「個人心理学」と並び、心理療法のウィーン学派三大潮流のひとつとして挙げられることもあるものである。 ロゴセラピーは、人にその生活状況の中で「生きる意味」を充実させることが出来るように、あるいはその価値の評価の仕方を変えることが出来るように援助しようとするものである。 そのためロゴセラピーは手法として、実存主義的アプローチをとり、下記の3点を基本仮説とする。 意志の自由 - 人間は様々な条件、状況の中で自らの意志で態度を決める自由を持っている。(決定論の否定) 意味への意志 - 人間は生きる意味を強く求める。 人生の意味 - それぞれの人間の人生には独自の意味が存在している。 フランクルは、人の主要な関心事は快楽を探すことでも苦痛を軽減することでもなく、「人生の意味を見出すこと」であるとする。人生の意味を見出している人間は苦しみにも耐えることができるのである。