
『 消費社会の神話と構造 』
1979
西洋現代社会学
名著の概要
ジャンル
[
"社会学",
"西洋社会学",
"西洋現代社会学",
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学"
]
テーマ
価値とは何か
消費とは何か
概要
本書では、大量消費時代における「モノの価値」とは、モノそのものの使用価値、あるいは生産に利用された労働の集約度にあるのではなく、商品に付与された記号にあるとされる。
目次
内容
本書では、大量消費時代における「モノの価値」とは、モノそのものの使用価値、あるいは生産に利用された労働の集約度にあるのではなく、商品に付与された記号にあるとされる。
たとえば、ブランド品が高価であるのは、その商品を生産するのにコストがかかっているからでも、他の商品に比べ特別な機能が有るからでもない。その商品そのものの持つ特別なコードによるのである。
つまり、商品としての価値は、他の商品の持つコードとの差異によって生まれるのである。
現代の高度消費社会とは、そういった商品のもつコードの構造的な差異の体系である。
ここで注意しなければいけないのは、ヴェブレンの言う「顕示的消費」と違い、単なるブランドの見せびらかしではないと言うことである。
たとえば、高級車には高級車の、コンパクトカーにはコンパクトカーの持つ記号がそれぞれ存在し、それらを自ら個性として消費するのである。
この様にモノ(商品)を買う行為は欲求充足の他に「自分らしさ」(オリジナリティ)を主張する言語活動の一面があり、他者との差異をつけ、個人のアイデンティティを社会の中に定位させる道具である。これは消費社会において無意識のうちに強制されており、「自分らしさ」の追求は消費社会というお釈迦様の掌の上の孫悟空の様なものに過ぎない。
こうした「記号」という商品の価値が、本来の使用価値や生産価値以上に効力を持つ社会を「消費社会」と本書ではよんでいる。
この思想の背景にはマルクスの価値形態論とソシュールの記号論が控えており、こうした分析を、生産物に限らずあらゆる社会事象や文化に援用したのが本書の特徴である

ボードリヤール
フランス
著者の概要
ジャンル
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"社会学",
"西洋社会学",
"西洋現代社会学",
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代哲学"
]
著者紹介
フランスの哲学者、思想家である。『消費社会の神話と構造』は現代思想に大きな影響を与えた。ポストモダンの代表的な思想家とされる。
『消費社会の神話と構造』(1970)で,消費が欲求の単純な充足ではなく、記号化された「モノ」を通じた差異化の行動であることを鋭く指摘して,世界の思想界の注目を浴びた。
セゾングループの堤清二はボードリヤールの消費社会批判に触発されて無印良品を立ち上げた
その後『象徴交換と死』(1976)と『シミュラークルとシミュレーション』(1981)などの著作で,オリジナル不在のコピーであるシミュラークル(摸像)によって現実が情報(データ)に置き換えられて消滅する状況を描き出し,バーチャル・リアリティとマルチメディアの時代を予告したため、本人の意図に反して「ポストモダン」の代表者と目された。
その思想は映画マトリックスのもとにもなった。