痴愚神礼讃
『 痴愚神礼讃 』
エラスムス
1511
キリスト教関連

名著の概要

ジャンル

[ "宗教学", "西洋宗教学", "キリスト教関連" ]

テーマ

キリスト教国家についての風刺

概要

諷刺文学である。本書は1511年の出版以来、ヨーロッパ各国で翻訳や海賊版が多数出版され、何十もの版を重ねて宗教改革における一大ベストセラーとなった。

目次

内容

痴愚の女神モリアー(モリアエ)が聴衆を前に大演説会を開き、聖書伝説やギリシア・ローマの古典からの夥しい引用、縦横に繰り出される警句とともに人間社会の馬鹿馬鹿しさや繰り広げられる愚行を饒舌に風刺するというものである。痴愚女神は軽妙洒脱な語り口をもって王侯貴族や聖職者・神学者・文法学者・哲学者ら権威者を徹底的にこき下ろし、人間の営為の根底には痴愚の力が働いているのだ、人間は愚かであればこそ幸せなのだ、と自画自賛の長広舌を繰り広げる。 痴愚女神モリアー Moria の名前はギリシア語で「痴愚」「狂気」を意味する語であり、モア More のラテン名モルス Morus から連想されたものである。本書はトマス・モアに捧げられている。
エラスムス
エラスムス
オランダ

著者の概要

ジャンル

[ "宗教学", "西洋宗教学", "キリスト教", "主要宗教学" ]

著者紹介

ネーデルラント出身の人文主義者、カトリック司祭、神学者、哲学者。 主な著作に『痴愚神礼賛』、『エンキリディオン』(キリスト教戦士の手引き、『平和の訴え』などがあり、著作の中では一貫して「キリスト者の一致と平和」をテーマとした。 エラスムスの思想は宗教改革運動と対抗宗教改革運動の双方に大きな影響を与えた。『ユートピア』を著したトマス・モアとの親交や自由意志に関するマルティン・ルターとの論争でも知られる。