監獄の誕生
『 監獄の誕生 』
ミシェル・フーコー
1975
西洋現代哲学

名著の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋現代哲学" ]

テーマ

監獄について 刑罰について 権力について

概要

ニーチェに見られた系譜学アプローチが用いられ、刑罰の近代化の過程が分析されている。本書は、第1部「身体刑」、第2部「処罰」、第3部「規律・訓練」、第4章「監獄」から成り立っている。

目次

内容

ヨーロッパにおける刑罰は、人道的観点から身体に対する刑罰から精神に対する刑罰へと移行した。 フーコーは、刑罰が進歩したというよりも、その様式が変化し、新しい権力作用が出現したと主張した。 近代の刑罰においては、専門家の科学的知見が重要な役割を果たしており、犯罪者の精神鑑定を通じて人間を評価する。 このような人間を対象にする学問は、人間諸科学と呼ばれ、これはある規範的観点を分析に導入することで、人間の狂気を規定する。 つまり、知識によって刑罰における権力を根拠付け、また相補的な関係を持ちながら共に作用する。これが、フーコー独自の権力概念である「権力/知 」である。
ミシェル・フーコー
ミシェル・フーコー
フランス

著者の概要

ジャンル

[ "哲学", "西洋哲学", "西洋現代哲学" ]

著者紹介

フランスの哲学者。 フーコーは、一連の活動により、「知と権力の関係」「知に内在する権力の働き」を説明した。 フーコーの思想においては、「絶対的な真理」は否定され、真理と称される用語や理念は、社会に遍在する権力の構造のなかで形成されてきたものであると見なされる。フーコーの思想においては、知の役割は「絶対的な真理」を証明することではなく、それがどのようにして発生し、展開してきたか調べる(知の考古学)ことにある。