
『 知には平和を 』
1963
日本現代戦後文学
名著の概要
ジャンル
[
"文学",
"東洋文学",
"日本文学",
"現代戦後文学",
"SF"
]
テーマ
SF
戦争とは
豊かさとは
隠蔽
欺瞞
概要
小松左京が初めて書き下した、SFコンテスト選外努力賞受賞の幻の処女作。「地には平和を」を読み解き、「戦争とは何か」「今の日本は本当の豊かさを得たのか」という現代人に突き付けられた問いを考えていく。
目次
内容
少年兵・河野康夫は本土決戦に向けて抵抗を続けるが窮地に陥り自決を図ろうとする。そこにタイムパトロールが現れ、康夫が今いる世界は未来の学者によって歪められた歴史だと告げられる。本来の歴史に修正され平和な戦後を生きる康夫。ある日なくしたはずの部隊章を偶然見つけ、この現実が欺瞞に満ちたものではないかと直覚する。
1945年8月15日以降も本土決戦に突き進む、ありえたかもしれない未来を描く「地には平和を」は現代人が得た豊かさが隠蔽や欺瞞の上に成り立っているのではないかという疑問をつきつける。

小松左京
日本
著者の概要
ジャンル
[
"文学",
"東洋文学",
"日本文学",
"日本現代文学",
"日本戦後文学",
"SF小説",
"日本SF小説"
]
著者紹介
星新一・筒井康隆と共に「SF御三家」と呼ばれ、日本SF界を代表するSF作家でありながら戦後の日本を代表する小説家でもあった。
広範な領域での業績と旺盛な活動力を岡田斗司夫、唐沢俊一らは「荒俣宏と立花隆と宮崎駿を足して3で割らない」と評している。
批評家の東浩紀は「小松は、戦後日本を代表する娯楽作家だっただけではない。また日本SFの創設者だっただけでもない。小松はそれよりもなりよりも、まずは知識人であり教養人であり、その溢れる知性に文学というかたちを与えるとき、SFという表現形式を見出したひとりの思索者だったのだ」と評価した。
代表作には、時間と空間をまたにかけた壮大な長編『果しなき流れの果に』(1966年)が挙げられる。この作品は1997年の『SFマガジン』500号記念号で発表された、「日本SFオールタイムベスト」において長編部門1位を獲得した。さらに短編部門では同じく小松作品の「ゴルディアスの結び目」が1位になった。