『 社会学 』
1908
西洋現代社会学
名著の概要
ジャンル
[
"社会学",
"西洋社会学",
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代社会学",
"西洋現代哲学"
]
テーマ
社会について
社会の形式
概要
ジンメルは「生の哲学」の先鋭な論客として知られるが、現代社会学の先駆者としても特異な足跡を遺した。歴史的社会進化論を排し、個人と個人、個人と集団、集団と集団の相互関係を中心テーマとしたその業績は、今日にわかに脚光をあびつつある。
目次
内容
デュルケームは個人に還元されない「集合意識」や「制度」など社会的事実という概念を発見することで社会学の領域を確立したが、ジンメルは「社会化の形式」という独自の概念を発見することで社会化の新たな領域を作ろうとした。
政党、会社、学校など、各集団に起こる相互作用の「内容」はそれぞれ異なっている。しかし、相互作用の「形式」に着目すれば、支配・服従や競争・党派形成などの形式を、いかなる集団にも共通に見つけることができる。
ジンメルの功績によって「形式社会学」という方法論が広まることになった。
ゲオルク・ジンメル
ドイツ
著者の概要
ジャンル
[
"社会学",
"西洋社会学",
"哲学",
"西洋哲学",
"西洋現代社会学",
"西洋現代哲学"
]
著者紹介
ドイツ出身の哲学者(生の哲学)、社会学者である。
社会学の黎明期の主要人物としてエミール・デュルケーム、マックス・ウェーバー、カール・マルクスなどと並び称されることが多い。
彼の哲学は、ニーチェ、ショーペンハウエルと共通点をもつ生の哲学だが、大学の世界で薫陶を受けているため、それをカント以来のドイツ観念論の系譜で一般的な用語法を持って語るという、なかなかユニークなもの。「断章」などにも本人が書いているように、知的遺産の後継者には恵まれなかったが、彼の思想は彼の提唱する形式社会学に結実した。形式社会学に含まれるその考え方はアメリカにわたり、社会学のシカゴ学派、そしてシンボリック相互作用論に大きな影響を与え、定性的研究の源流のひとつとも言われるようになった。
また、近年では、ドゥルーズ、ガタリ以降の生気論再評価の文脈で、社会化以前の生を捉えようとする後期ジンメルの論が新たに注目されている。