『 社会的選択と個人的評価 』
1951
シカゴ学派
名著の概要
ジャンル
[
"経済学",
"西洋経済学",
"西洋現代経済学",
"シカゴ学派"
]
テーマ
社会的選択
概要
個人の持つ多様な選好(preference)を基に、個人の集合体としての社会の選好の集計方法、社会による選択ルールの決め方、そして社会が望ましい決定を行なうようなメカニズムの設計方法のあり方を解明する社会選択理論を確立した著書。
目次
内容
経済学の一分野としての社会選択論を事実上創設し、この論文の帰結は、アローの不可能性定理(一般可能性定理)として知られる。
社会選択(Social Choice)とは、「社会の状態」を選択肢として、その社会の構成員個々の選好関係 (Preference Relation) から、その社会において合理的と考えられる選好関係、すなわち社会的選好(Social Preference)を決定することである。
アローは、合理的であるための制約条件として、
(1)構成員の選好関係の非限定性、
(2)社会の選好関係の完備性と推移性、
(3)全員一致性、
(4)二選択肢評価の無関係な対象からの独立性、
の4つを挙げ、これらの制約条件を満たす社会的選好が見つかったら、それはある一人の構成員の選好と一致してしまうこと、つまりその社会は独裁制とならざるをえないことを数学的論理で証明した。
アロー
アメリカ
著者の概要
ジャンル
[
"経済学",
"西洋経済学",
"西洋現代経済学",
"シカゴ学派"
]
著者紹介
アメリカ合衆国の経済学者。
20世紀経済学史上の最重要人物の一人とされ経済学全般において革命的な論文を書いている。経済学・社会学・政治学など他学問にも影響を与えている。
アローの業績は、経済学の理論的基礎から応用分野まで幅広い分野にまたがっている。どれも目覚ましく重要な研究ばかりである。「アローの不可能性定理(一般可能性定理)」として知られる社会選択理論への貢献。一般均衡理論・価格理論に関する研究。その他にも、内生的成長理論や情報の経済学などの研究がある。
経済学者の中谷巌は、ケネス・アローの受賞について「一連の業績を見れば、アローがノーベル経済学賞受賞に値することは明白であり、事実1950年代から1960年代の理論経済学会は、アローの業績を軸として動いていた」と述べている。