科学はどこへ行くのか
『 科学はどこへ行くのか 』
マックス・プランク
1932
科学論

名著の概要

ジャンル

[ "科学", "西洋科学", "科学論", "教科書・評論" ]

テーマ

科学について

概要

科学とは何か、科学はどこに向かうのかについての見解を記載した科学論。

目次

内容

「宗教と科学には真の対立はありえず、人間がその力を完全なバランスと調和を伴って発揮しようとすれば、自らの宗教的な部分を認識して伸ばさねばならず、このことは真面目で思慮深い人なら経験のあることだろう」 「理性だけではない直接的な認識の重要性を説明し、本質的には信仰に類似しているとし、科学には未知なるものへの探究心があり、真実への愛と、畏敬の念を深めるものであるが、形而上学的な欲求をかきたてることにおいて科学は宗教の代わりとはなりえない」 「科学は大自然の究極な神秘を解釈できない。なぜならば、最終的に、我々も自然の一部分であり、我々自身が解決しようとする神秘の一部分であるからだ」と述べています。  「すべての物質はある種の力の影響下にのみ創造と存在ができる。この力は一つの原子粒子を振動させ、最も微小な「原子太陽系」を支えている。この力の背後には意識を持つ、知恵の心が存在することを仮設しなければならない。この心こそが全ての物質の母体であるのだ」
マックス・プランク
マックス・プランク
ドイツ

著者の概要

ジャンル

[ "科学", "西洋科学", "科学論", "教科書・評論" ]

著者紹介

ドイツの物理学者で、量子論の創始者の一人である。「量子論の父」とも呼ばれている。 科学の方法論に関して、エルンスト・マッハらの実証主義に対し、実在論的立場から激しい論争を繰り広げた。 黒体から放射されるエネルギー(黒体放射)に関して、熱力学の理論シュテファン=ボルツマンの法則(またはヴィーンの変位則)から導かれる予測と実験的に求められた結果(レイリー・ジーンズの法則)との間に矛盾があることが知られていた。プランクは光のエネルギーが、ある最小単位の整数倍の値しか取ることが出来ないと仮定するとこの矛盾が解消されることを発見し、放射に関するプランクの法則(1900年)を導出した。またこの過程で得られた光の最小単位に関する定数(1899年)はプランク定数と名づけられ、物理学における基礎定数の一つとなった。 プランクが導いた結果は、後にアインシュタイン、ニールス・ボーアなどによって確立された量子力学の基礎となるものであった。この業績からプランクは“量子論の父”として知られている。